――物語は4人の少年たちの1820歳を描いていますが、八木さん自身がその頃の選択したことで今に影響していることがあれば教えてください。

「ちょうど18〜20歳の頃のターニングポイントは、今までずっとやってきたサッカーを辞めて、VOCAL BATTEL AUDITION5を受けたことです。この作品では、アキトがピアニストになるために音大の試験を受けて自分の力で夢を掴み取ろうとするのですが、僕がオーディションを受けた頃に魔法が使えたらどうしていたのかなと自問自答してみたり、その頃の自分のこととリンクして、他人事ではない気持ちで演じることができました。でも僕もアキトと一緒で、絶対に夢は自分自身の力で掴み取りたいので、魔法は使わなかったと思います」

――共演者の方々の演技から影響を受けたことはありますか?

「特に父親役の田辺誠一さんとバーで飲むシーンが印象に残っています。今回の作品では僕は基本的に受け芝居だったのですが、田辺さんが父親として息子に伝えるセリフの一つ一つが自分自身にも刺さって受けすぎてしまい、カメラがこっちを向いていない間もずっと涙が止まらなくて。田辺さんからも、感受性が豊かだねって褒めてもらえて、いい相乗効果が生まれたシーンだと思っています」

――4人の友情を描いた作品ということで、他の3名の役者さんたちとの撮影現場はいかがでしたか?

「一番最初の本読みの段階からみんなボロボロに泣いちゃうくらい熱が入っていて、信頼関係がすぐにできました。なので、クランクインの段階からすごくナチュラルに現場にも役にも入れたんです。しかも全員同世代なので、仕事のことだけでなく趣味の話とか他愛のないことを空き時間に話したりして。特に椿(泰我)くんとは、お互いボーイズグループのメンバーでもあり役者にも挑戦しているということで境遇も似ているので、すごく話が合いました」