――鬱漫画に目覚めたのはいつ頃ですか?

🍑「最初はただグロいサイコパス、シリアルキラーっぽい漫画を読んでいたんですけど、なぜ殺人鬼になったのかというドキュメンタリーを読んで、そこから『鬱漫画』というジャンルを知って、『血の轍』(※4)を知って、一気にハマっていきました。
『血の轍』は毒親の話。子供がきれいで厳しいお母さんのことをすごく好きなんですけど、美化してるんですよね。だんだんお母さんがしんどくなって、めんどくさくなるんですけど、最後の最後で視点が一気に俯瞰に変わったときにお母さんがすごく老けてたりして、子供の中で勝手に親に植えつけられていた(母親)像みたいなものが壊される瞬間があって、それを読んだ時に、自分自身の固定概念だけじゃなくて、他の考え方もあるんだと勉強になりました

※4:『血の轍』:作者は押見修造。2017年から2023年まで『ビッグコミックスペリオール』で連載。不安定な母子の関係を描くサイコサスペンス。

――なかなか深そうな内容ですね。

🍑「分からないことが、分からなくもないみたいな、なんでこうなるんだろうっていうのが、全く分からないことでもないみたいな、微妙なところをぐっと掴んで来るので気になりますね。そのあとは『ソラニン』(※5)を描いた浅野にいおさん作品にハマっていきました」

※5:『ソラニン』:作者は浅野にいお。2005年から2006年まで『週刊ヤングサンデー』で連載。2010年に実写映画化。大人になる葛藤を描いた青春ラブストーリー