おこぼれワイドショー Yes or No?

このゴシップ発言はアリ? ナシ? を考える社会派コラム(ウソ)。
今回は、出演シーンを全カットされたマット・デイモンのお話です。

空気読まずに“お尻ナデナデ”発言(爆)

昨年から続く「#MeToo」運動。ご存じのとおり、ハリウッドを発信源にした、セクハラ撲滅運動ね。有名なプロデューサーだったハーヴェイ・ワインスタインが、あらゆる女性にセクハラをしかけていたことが明らかになってからというもの、パワーを持った著名人達によるセクハラ告発は後を絶たず。芸能界はもちろん、財界、政界にも及んだだけでなく、世界中にこのムーブメントが広がったわよね〜。しかも、ことの発端になったワインスタインは、ついに5月、逮捕されちゃった。

いやー、女性達、ガマンはもうダメよ。日本では「どこまでがセクハラか分からない」なんて空気読めない男性の言葉が聞こえてきて頭痛いけど、そもそも自分がされたら?ってことを考えればすぐ分かるもんなのにね〜。

で、空気を読めなかった人は日本男子のみならず、ハリウッドにも。それがマット・デイモン。じつは現在アメリカで大ヒット中の『オーシャンズ8』に、彼はチョイ役で出演していたんだけど、彼の不用意な発言が尾を引いて、出演シーン全カットという憂き目に。

彼はワインスタインへの告発や「#MeToo」運動についてコメントをした際、女性達が声を上げられるようになったことは称賛しつつも、「女性達を苦しめたとされるあらゆる行動には、幅があるよね。お尻を触るのと、子どもに性的虐待を加えるのとは違う」という発言をしたの。愛妻家でリベラルないい人イメージの強かった彼だけに、これには彼に近しい人まで仰天。なにそれ。表向きは理解してる風でいて、全然理解していないじゃない、と、直接セクハラをした人よりもタチが悪いとされるように。

しかもこの発言、昨年の話なのよ。それゆえに、その当時に公開された『ダウンサイズ』は、プロモーションの場に出てこられず、アカデミー賞をはじめとする賞シーズンにも姿を見せず。半年以上経った今も『オーシャンズ8』も出演シーン全カットで公開中。マット本人も、ここまでこの運動が長引くとは思っていなかっただろうけど、考えが甘い! あの発言は親友のベン&ケイシー・アフレック兄弟のセクハラをかばうためもあったとは言われているけど、そんなの理由になりません。むしろ、この運動は、空気を読めないこういう人がいなくなるまで続くはずよね。

Text by Masamichi Yoshihiro
Illustration by Kuro Nohara
Edit by ATSUKO MORITA[vivace] , FASHION BOX