――5月23日より上演の朗読劇『したいとか、したくないとかの話じゃない』では板谷由夏さんと夫婦役を演じられますが、どういった作品なのでしょうか?

不器用夫婦の生々しい口喧嘩みたいなものがすごく多くていがみ合っている部分もあるんですけど、でもどこかできちんと繋がっていて。コメディとシリアスが混在していますし、なんとも形容しがたい面白みがありますね。

生っぽいんだけど、どこかファンタジックな部分もあって。1つの寓話でもある、不思議な味わい深い作品だと思います。

 

――朗読劇は、通常の舞台とはまた違った表現の場だと思いますが、演じるうえで感じる朗読劇ならではの魅力はどんなところにありますか?

あまり違うとは思っていないんですよ、お芝居はお芝居なので。

ただ朗読劇の場合は、いわゆる演劇とは違って体の動きで見せることが極力排除されているものなので、最終的には観てくださるお客様の頭の中に映像が浮かび、そこにドラマが生まれて完成するものだと思っています。

やることはそんなには(通常の舞台劇と)変わらない気はしているんですけど、何かキャラを作ったりとかそういうことでもないので、できるだけ板谷さんと生っぽい会話ができればと思っています。それを観た上で、お客様それぞれが何かを感じていただければ嬉しいです。

津田健次郎