美味しそうなご飯、可愛い動物、キレイな風景、お気に入りのアイテムなど、実際に見るとすごく素敵なのに写真に撮るとなんだか微妙……そんなこともありますよね。「もっと映える写真が撮りたいのに!」というお悩みを解消するべく、雑誌やウェブ媒体などで活躍するフォトグラファーの米玉利朋子さんに教えてもらいました。全部iPhoneで撮った写真です。


食べ物やスイーツの撮り方

・背景がイケてないなら、紙を使う

「私の誕生日に上司が事務所で用意してくれたケーキ。ショートケーキとキャンドルの温かみを見せたかった1枚です。ただ、事務所がすごく映えるわけでもなかったので、ピンクの紙を背景に垂らして撮影しています。立体感を見せたかったので両サイドの断面が見えるような角度で撮ったのもポイント」

・思いきって寄るのもアリ

「お店で撮る場合、ひとつのものにクローズアップしたいときは思いきり寄ります。この写真は、ケーキをあえて右側に置く構図にしています」


風景の撮り方

・風景は広角で撮る

「これは夜景の雰囲気を全部見せたくて、スマホの広角モードを使っています。ポイントとしては全体を入れること。水面に映り込む夜景もきちんと入るように。また、空を多めに入れることでヌケ感も出しています。基本的に色みなどは加工で足していますが、このときはいつもよりも加工を少し強めにしたと思います。加工して雰囲気がよくなるなら、加工もアリだと思っています!」

・ビニール傘越しで幻想的な雰囲気

「雨の日に傘越しに撮ったものです。普通に撮ってもモッコウバラの可愛さが出ると思いますが、このときは雨ということもあってほんの少しだけ幻想的に撮りたかったのかも……。雨粒にピントが合って花がぼやけていますが、それでも花の可愛い感じは伝わると思うし、雨の日の散歩の感じが出るのでネガティブにはならないかな」


お気に入りグッズの撮り方

・逆光を利用してほっこり感を出す

「『GLOW』の付録のキウイブラザーズをゲットした!っていうのを載せたくて撮りました。家になじんでいる感じを出したくて、ちょうど夕方直前の午後の光がいい感じに入ってきたので、あえて窓越しの光を入れつつ、ちょっと雑多な感じのデスクの上で撮りました。光のおかげでほっこりとした感じに。さり気なく前々から持っていたキウイブラザーズのフィギュアを写り込ませています」


動物の撮り方

・コマで並べて動きを感じさせる

「子猫の動きがとにかく可愛かったのでコマ撮りにしようと思い、久しぶりに4分割を使用して載せました。子猫の小ささを見せたかったので、あえて少し引きで撮影。だいたい同じ位置から同じ構図で撮り続けて、子猫の動きの変化が伝わるように工夫しています」


写真アプリ、加工アプリのおすすめは?

・「VSCO」「Dazzカメラ」がお気に入り

「私はiPhoneの標準カメラで撮影したあとに、「VSCO」を使用しています。最近はいろんなフィルムカメラのフィルターを楽しめるDazzカメラも使い始めました。基本的に最初からアプリでの撮影はしないです。iPhoneのカメラは意外と、一眼カメラよりもキレイに撮れることが多いです。特に夜景! 光もキレイに取り込むので、昼間はあえて太陽光をほんの少し入れて撮ると雰囲気が増します(逆光の利用など。上のキウイブラザーズがそれです)」


いいと思ったものを何枚も撮ってみて

「写真に正解はないです。今はスマホで自分の好きなように延々と撮れる最高の時代です。
自分がいいと思ったものをたくさん撮ってほしいです。何枚も撮ることをよくないように言う人もいますが、何枚も撮って最高の1枚が撮れるのであれば、たくさん撮っていいと思います(もちろん周囲に迷惑をかけない範囲で)。

たまにいつもとは違う撮り方をしてみるのもいいと思います。寄りばかり撮りがちだったら引いてみるとか。目線アリの写真もいいけど、誰かが何かをしているふとした表情など。

写真に自信がない人は憧れの人の写真を真似するのもアリ。最初は真似かもしれないけど、気がついたら撮り方をマスターして自分のものにしていると思います。

個人的には当たり前に過ぎ去る日常を撮るのが好きなので、日常も撮ってほしいなと思います。同じように感じる日常も二度と戻ってこない時間なので」


【Profile】

米玉利 朋子 Tomoko Yonetamari

フォトグラファー。ポートレイトから物撮り、ファッション撮影まで、雑誌やウェブ媒体で幅広く活躍。Instagram:@pandaponponpon


edit & text_ASUKA CHIDA (@aska_chida)
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