心揺さぶる景色を求めて向かった先は、otona SWEETのミューズである紗栄子さんの地元、宮崎県。あたたかい日差しとたっぷりの愛と安心感に包まれたこの場所で彼女が見せてくれた表情はあまりにも美しく、思わず感動すら呼ぶものでした。さあ、全ての始まりの場所へ。

今回もロングインタビュー内で、紗栄子さんに仕事・恋愛・人生についてたっぷり語って頂きました。特別にその一部を、SWEET WEBで限定公開♡


About…Woman
女性の美しさのこと

紗栄子
紗栄子

チュールプルオーバー¥42,900 キャミソールドレス¥56,100(共にチカ キサダ/エドストローム オフィス)

縦ジワはイヤだけど笑いジワは大切に
美しく自然に年を重ねて生きていこう

―編集S:私は「sweet」の時代に紗栄子さんの連載を担当していて、印象に残っているのが白Tに赤いパンツのキッチュな衣装で撮影したとき。
今回「otona SWEET」で一緒に撮影をしていて、あのころの紗栄子さんと比べるといい意味でとてもしなやかに素敵にアップデートされているなと感じました。
今はどういうマインドで撮影と向き合っているの?

「自分ができる努力は全てしてカメラの前に立ちたいなと思ってる。だらけた生活をしたままのからだでは、撮影はしたくないな。何もしないで堂々とカメラの前に立てる自信はないから、そこに立つまでの間に一生懸命頑張らなくちゃいけないって思ってる。この仕事をしていなかったらもっとダラダラ生きていたと思う。ちゃんと私を女でいさせてくれているのがこの仕事のおかげなんじゃないかなって思うくらい」

―編集S:撮影の1時間前までピラティスで微調整をしてから望むあたりが、プロだなとつくづく思います。

「やっぱり撮影が大好きだから、頑張れる。『otona SWEET』でモデルとして撮影のお仕事をするとやっぱり撮影が好きって実感するし、ワクワクする。今はモデル以外のファームの仕事もあるし、子どもが一時帰国中だったりして正直、大変は大変だったんだけど、今日(宮崎ロケ)みたいにいい撮影ができたりすると、他のことは一旦置いといて、やっぱり大好き!って思うんだよね。色んな芸能のお仕事をしてきたけれど、私はここが自分の場所だと思っているし、この場所での表現が一番好き」
紗栄子

ハット¥35,200(エントワフィエン/ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店)、スイムウェア¥16,940(Mila Owen ルミネ新宿2店)

―編集S:モデルの仕事は天職だと、実感してる?

「そう思って始めたわけじゃないんだけどね。最初は芝居をするほうが好きでそれがやりたくて芸能の世界に飛び込んだし、バラエティやドラマも好きだった。でも、例えばドラマのお仕事ってなると3カ月24時間拘束になるから、子どものいる私には無理だし、じゃあできることってなんだろうって思っていたときに頂いたのが雑誌のお仕事で。私には時間的な問題もあってそれしかできないからと思って始めたんだけど、雑誌という場所が私には心地がよかったし皆に喜んでもらえるという部分でフィットしたんだと思う」

―編集S:雑誌に対してそんな思いがある、と聞くと雑誌の作り手からするととても嬉しいな。

「大事過ぎて、その分こだわりも人一倍強いと思う。ものづくりにかける気持ちが同じ人じゃないと一緒に働くのって難しいなと思うことがあったりもして。そのくらいこだわってしまう大切な場所。言葉ではなく自分が思う理想の“女性像”を表現できるっていうところがすごく好きなんだ」

―編集S:写真1枚で人物像を表現して感動を呼べるって、改めて素敵なお仕事ですよね。

「受け取り方は自由なんだけど、何かしら、読者の方たちがポジティブな気持ちになれるようなメッセージを届けられていたら嬉しいなと思ってる。私の思いをぎゅぎゅぎゅっと詰めてお届けしているつもり。あと写真って全てがさらけ出されて表現されるから、ごまかしがきかない」
紗栄子

刺繍ドレス¥132,000(リア)、ハット¥35,200(エントワフィエン/共にユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店)、スイムウェア¥16,940(Mila Owen ルミネ新宿2店)、ブーツ¥203,500(セルジオ ロッシ/セルジオ ロッシ カスタマーサービス)

―編集S:その紗栄子さんの気持ち、ちゃんと読者にも伝わっていると思います。
写真に撮られる側の人として、エイジングについてはどう考えてる?

「縦ジワはイヤで眉間にシワができたら速攻、ボトックスで消したい! って思うけど、笑ったときにできる横ジワは消したくないなと思っていて。縦ジワを刻まないために明るい気持ちで生きていたいし、横ジワを増やすためにたくさん笑いたい。それは努力でキープできるから頑張る!」

―編集S:素敵なマインド♡ ヨーロッパを始め海外の女性を見ても、年を重ねていくことを個性として受け入れている人が多い気がする。
そのピュアさが美しさにつながっている、というか。きっと、努力はいいけれど、若作りする必要はないってことですよね。

「私も実はTOTOの便器のような陶器肌を目指しているけれど(笑)。でも、自然に美しく年を重ねていきたい。年を重ねると外側だけ頑張っても内面がどうやったってにじみ出てくるから、自分磨きというより、人間性を高めていくことに時間を割いていきたい。そう思った上で、素敵な先輩方をたくさん見てきているから、年を重ねること自体は全然怖くないし、楽しみだし、それこそが色気になるとも思っているよ。それをね、日本の男性がもっと気がついてくれたらもっといいのになって思う」
紗栄子

シルバークロシェドレス¥19,910(LILY BROWN ルミネエスト新宿店)、インナーはスタイリスト私物

―編集S:日本では若いコがもてはやされる傾向がまだあるよね。

「海外では女性が年を重ねて経験値が増えていくことに魅力を感じてくれる人が多いように感じるけれど、日本はフレッシュなものに美しさを見いだしがち。大人の女性の魅力がもっともっと評価される世の中になってほしいなって思うよ」

―編集S:紗栄子さんが考える美しい人って?

「自分をちゃんと知っている人。幸せを見つけるのが得意な人。歳を重ねて経験値が増えても、ちょっとしたことで笑顔になれたり幸せを感じられる人って素敵。うちの祖母もそうなんだけど、小さなお庭を魂を込めてお世話して一輪のお花を見て喜んでいたりする姿を見ると本当に美しいなと思う」

―編集S:紗栄子さんは着実にその境地に近づいていっている気がする。

「忙しさで日々の幸せを見逃している自分にたまにがっかりすることもあるけどね。これからも美しく楽しく年を重ねていきたいな」

photo_YURI IWATSUKI
styling_AKIKO KIZU
hair & make-up_KENJI TAKAGAKI[SHIMA]
model_SAEKO
web edit_RIRIKA MIURA[SWEETWEB]
※記事の内容はsweet6月号増刊 otona SWEETのものになります。
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