John Krasinski
ジョン・クラシンスキー

movie
1979年10月20日、ポストン生まれ。2005年から8年続いたドラマ『ジ・オフィス(アメリカ版)』のレギュラーキャストとしてプレイクした後、2016年『最高の家族の見つけかた』で長編映画監督デビュー。2018年に監督・脚本・出演した『クワイエット・プレイス』が世界的大ヒットを記録した。


みなさんが子どものころ、他の誰にも見えてないけど自分だけのお友達……う~ん、トトロ的というか、他の人には見えないドラえもん的なサムシング?そういうのいました?それを「イマジナリー・フレンド」というんだけど、大人になると忘れてしまうもの。それらがもし本当に存在して、忘れられたら消滅しちゃう運命を持った生き物だったとしたら……というファンタジー映画が「ブルー きみは大丈夫』。これを考えて脚本にし、監督したジョン・クラシンスキーに話を聞きました。

「このアイデアは10年くらい前にまだ幼かった娘達を見て思いついた。彼女達が空想の世界で楽しそうに遊んでいるのを見ては”いいなぁ、楽しそう。どんなものが見えてるんだろう”ってうらやましくて仕方なかったんだ(笑)。でも、コロナ禍になったとき、娘達は世界が急に変わった不安からか、空想ごっこをすることが少なくなったんだよ。ダメだ、人生には楽しいこともあるけど、つらく悲しいことだってあるし、大人になってからでも、毎日がただただ楽しいだけだった”あの頃”に戻りたいと思ったら、必ず戻ることができるんだよ、って娘達に教えなきゃいけないと思った。それがこの映画を作るきっかけになったんだ」

物語は母を亡くして傷心の少女ビーが、たまたま出会ってしまったモフモフのイマジナリー・フレンドのブルーを救うために立ち上がるというもの。ビーの隣人でなぜかブルー達が見える大人のカールが一緒に奮闘することになるんだけど、演じたライアン・レイノルズは「じつは大ファンでオファーした」という監督。

「デビュー当時から大ファンでね。コメディもシリアスも完璧に演じられる俳優だと思っていたけど、実際に仕事してもらったらもっと奥深かった。とてつもなく深いハートとソウルみたいなものがあるんだよ。この映画では、彼のそういった側面を、みんなに見てもらいたいという気持ちがあった。これまでとは一味違った彼の魅力をね」

ちなみに監督の妻は、公開中の『オッペンハイマー』でアカデミー賞助演女優賞候補になったエミリー・ブラント。「コロナの間、彼女と娘達の助けがなければ本作の脚本は仕上がらなかったと思うよ」という。

「今までだけでなく、これから先も含めて、ここまでパーソナルで思い入れのある作品はないと思う。それくらいにエミリーと娘達が助けてくれたんだ。ただ、彼女は『メリー・ポピンズ リターンズ』とか子ども達が観る映画にも出てるから、娘達もママが何をしてる人か知ってるけど、僕はいつも”頑張ってね。何してるか分かんないけど”って言われるのがくやしくて……この映画でアピールできるかな(笑)」