――リサーチをする中で、介護の現場が映画で描かれていることよりもちょっと優しい空間になるヒントをもらえたところとかってありますか?
岸井 映画はもっともあってほしくない方向にどんどん進んできましたからね。自分から声を上げづらい状態じゃないですか。本当は友達と遊んだり、好きなことしたり、やりたいことはたくさんあるはず。調べれば調べるほど、1人で苦しまないでほしいなとは思いました。
磯村:それと、第三者のサポートが必ずある状態を、僕たちが意識しなければいけないですよね、国や行政などがサポートするべきことだと思ったので。
岸井 日向がいる看護の現場もそうですよね。
――まさに! やはりお二人共そこに問題意識を持って挑まれたんですよね。しかもチャレンジ精神旺盛な監督の作品で表現できたのはすごくよかったですね。
磯村:内山監督って全く隙がないくらいに調べ上げて準備する人なので、その徹底ぶりが怖いくらい。
岸井 そうそう。計算づくなんですよね。
磯村:そうだよね。だから、僕たちが何を質問しても絶対に倍で返ってくるし、納得できる答えなんですよ。
岸井 倍返しされたらこっちもさらに倍返ししないといけないから、芝居でお返ししないといけないんですよね。だけど、性格がおっとりしてるから、面白い。そこが不思議。
――じゃ、またこの座組があったらやってみたい?
岸井 絶対集まりたいです。すごいんですよ。兄弟役の磯村さんと福山さんがほんとに仲が良くて、本当の兄弟みたいになってましたよね?
磯村:はい。福山くんからは「兄貴」って呼ばれてます(笑)。
岸井 眺めてるだけでエネルギーもらえちゃうような兄弟愛!
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