アルフォンソ・キュアロン『ディスクレーマー 夏の沈黙』について語る【sweetムービーインタビュー】

主人公のキャサリンを演じたのは、これまたドラマシリーズの主演は珍しいケイト・ブランシェット。じつはキュアロン監督のメキシコの親友であり、ともにオスカー監督でもあるギレルモ・デル・トロとアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの2人はケイトを主演にした作品を作り、すでに絶賛を浴びていたので、もしかしてずっと彼女を起用したかったのでは?と聞くと、声高に「イエス!」と即答。
「ギレルモとイニャリトゥが先に彼女の素晴らしい芝居を引き出していたのを観て、正直嫉妬していたし、彼女と一緒に仕事する機会をうかがってたんだ。彼女も僕と同じくドラマの経験は少なくて、この作品の撮影期間の長さに驚いていたけど、お願いできてよかったよ」
キャサリンの過去の回想、キャサリンの今、そして謎の暴露小説の書き手の3つの視点でドラマは進むが、強烈なのが過去パート。そりや隠すわ……という生々しくもエロティックな物語が展開する。
「あのパートでキャサリン役を演じてくれたレイラ・ジョージには感謝してる。性的なシーンはまるでアクションの振りつけみたいなものなんだけど、なにせすごく過激なシーンばかりだったからね。そこで僕らはインティマシー・コーディネーターを雇い、セットには最小限のスタッフだけ配置して、確実に安全な撮影を心がけたんだ」
Apple TV+『ディスクレーマー 夏の沈黙』
story: ジャーナリストとして成功したキャサリン (C・ブランシェット)のもとに、一冊の小説が届く。そこには、彼女がひた隠しにしてきた彼女の過去が赤裸々に綴られていた。その秘密を知られたら、家族の絆はもちろん彼女のキャリアも崩壊する危険が……。
監督・脚本:アルフォンソ・キュアロン/出演:ケイト・ブランシェット、ケヴィン・クライン、レスリー・マンヴィル、コディ・スミット=マクフィー、ルイス・パートリッジ、レイラ・ジョージ ほか/配信:現在、Apple TV+にて独占配中
画像提供 Apple TV+
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PROFILE
よしひろまさみち
『スウィート』のカルチャーページでもおなじみの映画ライター・編集者