2時間の作品の中に20年の時を詰め込んだ純愛ストーリー

――お二人が演じるうえでこだわったことは?

赤楚:感情の出力ですかね。湊は溢れてくる感情にフタをするタイプなので、その出力の加減は、台本全体を読み込んで、監督と話し合いながら進めていきました。基本的に感情を堪える演技が多かったので、いかに演技で引き算をしていくかということはずっと意識していましたし、逆に二人がすれ違ってしまう場面などでは、どのくらい感情を表に出すか、萌歌ちゃんとも相談したりしながら丁寧に演じました。

上白石:この作品は、2時間のなかで20年分の時間が流れているんです。学生時代と通訳という夢を追う20代前半、そして母親になってからという3つの軸があって撮影順もバラバラだったのですが、すごく繊細な作業でしたが、ワンシーンごとに湊と美海の距離感や二人の間に流れる空気をみんなで確かめ合いながら作り上げていきました。