Ⅴ 星降プラネタリウム(美奈川護)

星降プラネタリウム

プラネタリウム、好きですか?わたしは好きで、たまにふらっと行きたくなります。次に紹介するのは、そんなプラネタリウムが舞台のお話です。星空を見上げる人々が紡ぐ希望と切なさの物語。心にぽっかり空いた穴を抱えながらも、新しい光を見つけようとする主人公たちの姿が、冬の澄んだ夜空と重なり合うように描かれています。

この作品のポイント

・小さな街のプラネタリウムで出会う人々の想いや悩みが、星のきらめきとともに鮮やかに浮かび上がる。

・“失ったもの”だけでなく、その先にある“希望”や“まだ見ぬ光”が丁寧に描写され、読後に温かい余韻が残る。

・夜空の美しさに気づかされるような、幻想的でロマンティックなシーンが盛りだくさん。

寒い季節は空気が澄んでいる分、星もいっそう輝いて見えるもの。『星降プラネタリウム』を読んでいると、忙しい日々の中でもふと夜空を見上げたくなってきます。切ないけれど力強いメッセージが散りばめられているので、心が締め付けられながらも、不思議とポカポカとした温もりが込み上げてきます。心に優しく寄り添ってくれるこの物語は、ぜひブランケットを膝にかけて、熱々の飲み物を片手に楽しんでみてくださいね。

寒い冬こそ、小説で心をあたためて

今回ご紹介した5冊はいずれも、寒さで縮こまった心をゆっくりとほぐし、やわらかな光を与えてくれる作品ばかり。どこか切ない部分があっても、読み終わったときにあたたかい余韻が残るのが、これらの小説の共通点です。

ベッドサイドやリビングのテーブルに置いて、空いた時間に少しずつ読み進めるのもよし、週末に時間をつくって一気読みするのもよし。心が“ほっこり”する感覚を味わいながら、ゆったりとした読書タイムを楽しんでみてくださいね。