今話題のアスリートにクローズアップする企画 “もっと知りたいスポーツ界の推し”。

 

今回クローズアップするのはムエタイ界の至宝と呼ばれる吉成名高選手。先日さいたまスーパーアリーナで行われたONEでも3R KO勝ちし、留まることを知らない名高選手に迫ります。

ーキックボクシング、ムエタイを始められたきっかけは何でしたか?

兄が空手を始めるタイミングで一緒についていったのがきっかけです。そこから空手で思うような結果が出せなくって、空手の動きのプラスアルファになればと思い始めたのがキックボクシングでした。そこでやる中でキックボクシングの方が自分にあっているなというのを子どもながらに感じて、親に話したところ「そっちがいいなら、そっちの道に行くのがいいんじゃない?」と言われたのが9歳なので小学3年生のときでした。

ー9歳ながら自分に合うものを見つけられているってすごいですよね。キックボクシングからムエタイを始めるきっかけになった出来事もありましたか?

なんかなんとなくあっているというよりは、やっていて楽しいなって気持ちが大きかったです。もちろん空手も楽しかったですけど、キックボクシングはより楽しいと思えました。

ムエタイはそこからまた3年ほど経った時にキックボクシングで結果が出るようになってきたタイミングで、キックボクシングの本場でもあるタイに行って、現地のタイの選手と試合をする機会を小学6年生のときに頂いたんです。そこで生のムエタイに触れて魅力と強さを感じてそこで頑張りたいなという気持ちが強くなりましたね。

ームエタイはキックボクシングよりも日本ではまだ知名度が追いついていない部分もあると思います。名高選手が感じるムエタイの魅力はどんなところですか?

たしかにまだまだムエタイの魅力は広まりきっていないなと思います。純粋に格闘技として観ると技のバリエーションが多いんです。肘打ちとか首相撲の崩し? クリンチからの崩しがOKなので、人によっては“立ち技最強の格闘技”っていってもらえることもあると思うんですけど、自分でも本当にそう思っています。

プラスでムエタイもスポーツなので、対戦相手に対する感謝の気持ち、教えていただいた師匠の方、家族、支えてくれた皆さんに感謝の気持ちを込めて試合の前に“ワイクルー”というものを踊るんです。ワイが手を合わせて合唱の意味、クルーが師匠という意味なんです。師匠へ感謝の気持ちを向けて踊ることからムエタイは始まり、試合では互いに全力をぶつけて戦ったあとに相手を称え合うという流れが素晴らしい、美しいなと感じています。そういったところが他にはないムエタイの魅力です。