──ここからは新曲『Venus』に関するお話も伺っていきたいと思います。楽曲制作の中で、印象的だったエピソードなどはありますか?
デビューシングルに引き続き、この曲はyonkeyさん(Klang Ruler)に作っていただいてます。今回も、私が普段思っていることや考えていることを書き留めたメモから、どんどん内容を膨らませてもらいました。ただ実は、『Venus』の歌詞ができた当初は、表面的な見た目のことを歌うところが多かったんです。私の思いとしては、 見た目だけというより、もっと内面的なところまで追求したくて。
世の中の固定観念に沿った美しさしか認められない時代の中で、自分たちは自分たちなりに一生懸命生きてるのに、どうして表面的な部分しか見てくれないの?自分の価値に気づかない奴なんてほっとけ、知るか!みたいな。そういう思いを改めてyonkeyさんに伝えたら、フレキシブルに対応してくれました。
曲を作る(歌詞を書き換える)のって絶対大変なはずなのに、常に“一緒に曲を作ろう”っていう雰囲気で、yonkeyさんが制作を進めてくださったのが、とても印象的でしたね。
──特に思い入れのあるフレーズは、どのあたりでしょうか?
まずyonkeyさんが作ってくださったサビの部分は、Venusという言葉から、どんどん派生していく畳みかけが魅力的。思わず歌いたくなるような気持ちよさだな、と思っています。
あと、自分が歌詞に携わったところもあるんですけど、そのうちの一つがベンツの部分。『Bad Bitch 美学 Remix』で「一括で買ったベンツで帰宅」って歌ってるんですけど、そのフレーズをきっかけに街で声をかけてもらうことも多くて。でも実は、運転が怖くて、5回乗って売っちゃってたんです……。それをyonkeyさんに話したら「絶対言った方がいいよ」って。着飾らずに本当の私を出そうってことで、「もう乗ってない 一括で買ったベンツさえも 買って5回乗って 売ったペーパードライバー」ってフレーズが生まれました。
──ちょうど『Bad Bitch 美学 Remix』も取材前に聴かせていただいてました。曲どうしに繋がりがあって、味わい深いですね。
ここで言っちゃいますが、「一括で買ったベンツで帰宅」ってノリノリで歌ってた時点で、既にもう売ってました……。