――YAMASHOさんのバースは最初、『朝目が覚め汗滲む枕』というダウナーなところから入っていって、最後『鉄の扉この手でこじ開ける』と突破していきますよね。それはどういった思いから書かれたのですか?

Y「僕は『その感情は分かるよ』という気持ちだったんですけど、でも『それをやったら終わりやしな』っていうのがずっとありました。でも、感情がまとまっていないから、リリックでも感情がせめぎあっていて。自分もその人たちも見たであろう景色をリリックで表現できればなと思いました。『街の雑踏消されているSOS』は、心の中では叫んでるけど、日常の音にはかき消されていく。日常に潜む、団地の一室で起こっているようなことを一人間として無視はしちゃダメだよねと思っていて、そういうものをフックに入れたり、自分では答えが出てないけど、分かるよというせめぎ合い、じとっとしたシチュエーションをリリックに落とし込んでいきました」

「最近はもうSNSを見ないようにしてるので分からないですけど、『社会不適合』という言葉を見かける時があって。自虐で自分を『社会不適合』と言ってる人ももちろんいるんですけど、それを他人に言っている人って、何考えて言ってるんだろうなと思う……。そういう構図ですらもおかしいと思うんですよね。周りと馴染めないけど、本当に馴染めない子が悪いのかとかもそうだし。例えば、知らない人だらけなところに、おとなしい感じの子が紛れて、その子がそこの小さい社会に混ざることができない。そりゃそうだろうっていうことにもなる。排除されたりとか、『社会不適合』って言われたりとか…『おかしいやろ』と思ってるんですけど、言い切るのもあれなんで、ちょっと考えさせる感じでリリックを書きました」