八木莉可子
──先ほど八木さんもおっしゃっていた通り、本作では、家族の温かさをはじめ、様々なメッセージが描かれていると思います。お二人はそれぞれの役を演じながら、どんな気づきがありましたか?
八木「私は、“完璧じゃなくてもいいんだ”って思えたことが、新しい気づきでした。登場人物みんな人間らしさがちゃんとあるので、喧嘩したり、失敗したり色々起こるんですよね。さらにそれぞれ得意なこと、苦手なこともしっかりある。とにかく個性豊かで完璧な人はいないんです。そんな中で、みんなが俯瞰して、助け合って、補い合って、絆や愛が生まれて……という姿が丁寧に描かれていくのが、素敵だと思いました」
豆原「僕は言葉にするのってすごく大事だなっていうのを改めて感じました。拓磨でいうと、母親とのバスのシーンが特に印象的なんですけど、そこで彼が本当にやりたいことを伝えられるんですよね。言葉にしたことで、また新しい母親との関係値も生まれるかもしれない。難しさはもちろんあるんですけど、自分の人生においても、誰かに思いを伝えることって大切にしていかなきゃなって思いました」