金原ひとみさんの人気小説を映画化した『ミーツ・ザ・ワールド』が10月24日(金)に公開!

自己肯定感の低いOL・由嘉里(ゆかり)を杉咲花さん、ホストのアサヒを板垣李光人さんが演じ、歌舞伎町を舞台に“生きづらさ”を抱えた人々の出会いと再生を描きます。監督は『ちょっと思い出しただけ』『くれなずめ』などで支持を集める松居大悟さん。蒼井優さん、渋川清彦さんら豪華キャストも参加する注目作です。

今回sweet webには杉咲さん&板垣さんが登場♡金原作品への思い、役作りの裏側、松居監督との現場エピソード、お互いの俳優としての魅力まで……たっぷり語っていただきました!

金原ひとみの世界観に惹かれて 原作への思いと、現場に流れた穏やかな空気感

――金原ひとみさんの小説が映画化されるのは、『蛇にピアス』以来17年ぶりです。金原さんの作品にどんな印象をお持ちですか?

杉咲花(以下、杉咲) 『蛇にピアス』を読んだときに、描かれる人物一人一人の生々しさ、暮らしの手触りというか、解像度の高さがずっと印象に残っていました。まるで実録を読んでいるような気持ちになったのを覚えています。

板垣李光人(以下、板垣) 僕も『蛇にピアス』を読んだことがありますが、『ミーツ・ザ・ワールド』もしかり、金原さんの作品は「ハッピーエンドでおしまい!」というような結末ではなく、「否定も肯定もしないけど、ただ黙ってそばにいてくれるような強さ」を感じたり、勇気のようなものも感じたりすることができると思っています。

映画『ミーツ・ザ・ワールド』に出演する杉咲花さんと板垣李光人さん

――そんな金原ひとみさん原作の作品に臨むにあたって、意気込みはありましたか?

杉咲 個人的に原作に強く惹かれた一人なのですが、あまり意気込んでしまうと自分にとってはプレッシャーになってしまうので、それよりも「いち読者として、この映画が出来上がったときにどんなものが観てみたいか」ということを、ずっと考えていたと思います。

板垣 僕は以前に金原さんとNHKの番組でご一緒したことがあったんです。当時の番組のテーマが「言葉にできないような感情やシチュエーションを、言葉にしてみよう」というものでした。実際にお会いすると、飾らずチャーミングで素敵な方でした。それが2年半ほど前だったのですが、今度は金原さんの作品の中に入れることになり、嬉しかったですね。

――本作の監督は、若い世代からの支持が高い作品を世に送り出し続けている松大悟さんですが、今回の作品でご一緒されて印象的なことはありましたか?

杉咲 松居さんと出会ってからは割と長いのですが、映画でご一緒するのは初めてでした。これまでは情熱的な印象があって、もちろんそういったマインドを感じつつも、現場ではとっても恥ずかしそうにしている姿がすごく印象的でした。そんな姿を見ていると、きっと自分が演じた由嘉里も持っていたであろう「他者と関わることのハードル」みたいなものに触れられたような気持ちになってきて。一番近くにいる監督がそのように佇んでいたことが、なんというか私にとっては“由嘉里へのエール”のように感じる瞬間があって、とても印象的でした。

板垣 僕も松居さんってシャイで恥ずかしがりやの方なんだろうなと思ったエピソードがあるんですが、撮影が終わった後に、ある方から「松居さんが『板垣さんがすごく良かった』って言っていたよ」と教えていただいたんです。でも、現場で一切そういう感じなかったんですよ(笑)!「現場で言ってほしかった~」と思って(笑)。

杉咲 そうだね(笑)。

板垣 でも、そんな松居さんだからこそ、現場で居心地の良さを感じながら演技に臨めたのだと思います。通常、撮影となるとどうしても時間などいろんなことに追われることが多いんです。実際、この現場でも日の出のシーンを撮らなくてはならなかったりして、物理的に追われることはあったんですが、それでも現場にはすごく穏やかな時間が流れていましたね。