あふれんばかりのスリルとサスペンスに満ちた令和最大の衝撃作『爆弾』に出演する山田裕貴と佐藤二朗が語り尽くす!【sweet web独占】
スズキタゴサクと類家の取り調べの最中に、“人を殺したいと思ったことがある”など、警察官で正義の人であるはずの類家の内なる感情が引き出されていく場面では、善人と悪人の境が曖昧になり、類家が悪者にすら見えることもありましたが、それも狙いだったのでしょうか?
山田「警察官でありながらも類家は本当に心の中で思っていたことだと思うんです。そこが、僕と似ているという部分でもあって。世界なんて一度ぶっ壊れてしまえばいいんじゃないかと。でも、そんな面倒なことはしない。したって割に合わない。(犯罪をするかどうかというのは)それぐらいの理由で。類家にとっての希望は、ポークステーキ丼を腹一杯食えればそれでいい、それくらいしかないかもしれないけれど、踏みとどまれるかどうかというのが大きな違いなんですよね。その部分を表現しなくちゃいけないと思っていましたし、最終的に類家がスズキタゴサクにかけられる言葉って“タゴちゃん、気持ちはわからなくもないよ”ということなんです。これは等々力も言っていましたけど」
ある意味、スズキタゴサクと類家は分かり合えてると。
山田「清宮は類家のことを危ない奴だと思っているけれど、優秀だから使ってくれている。類家のことを警察のルールや倫理観で測らない人だからこそ、そこに信頼感が生まれるんです。だから類家は清宮のことだけは信頼しているし、他の刑事の評価はどうでもいい。類家にしてみれば、事件の謎が解ければいいんです。だってその方が死んでしまう人の数が少なく済むんだからっていう。僕はそこまで人のことを気にして生きてはいないですけど」
佐藤「僕もあの場面は原作を読んだ時から印象に残っていました。スズキタゴサクの“人を殺したいと思ったことはありますか?”という問いかけに類家が“ああ、あるよ”と答える。類家にとっては“ちょっとタバコ買ってくるわ”っていうのと同じくらいなんでもないことの重さで答えるところがすごい。もちろん刑事としては言ってはいけないことなんだけど、裕貴もまさにそんな感じで演じていたから、あそこがすごく好きで。(映画を観てくれる)お客様もあのシーンで“ほら来た!”と思うと思うんです。類家ならスズキタゴサクを倒せるかもって俺はあの瞬間思ったわけですよ。だからね、すごく好きなシーンなんです」
まさにラスボスが現れた感覚ですね。
山田「怪物は怪物にしか倒せないみたいな怪物感を出すにはどうすればいいかを考えた時に、いつでも人は死んでいて、警察が全ての命を守ることはできない。だから類家は“俺も殺したいと思ったことあるし”くらいに思っていて。けれど、目の前の問題が解ければ助かる命がある。スズキタゴサクと対峙した時にシンプルに全力で向かっていくのが類家だなと思いながら演じていました。だからプランありきではなく、1つ1つのやり取りで起こるマインドを考えることで道ができていくという感覚でした。あとは、そのセッションの中で“タゴちゃんと話すのって面白い”って。“こんな奴いなかったな”と笑い出す演技は台本にもなくて、現場で自然に生まれてきたものなんです」
心の中に押し込めている感情をスズキタゴサクによって表に出したのは、類家だけでなく他の警察官もでしたよね。スズキタゴサクの底しれない凄みを感じます。
佐藤「まさに清宮がそうですよね。渡部さんの清宮は最高に美しく、切なく、カッコよく、痺れます。ところで僕はスズキタゴサクを演じ終わった今も、彼が何者かがわからないんですよね。この人が何者かわかった瞬間、精神が破綻してしまうんじゃないかと思うんです。そんな状態に一瞬陥ってしまったのが清宮だった。そのあとの男の『負けの美学』を体現する渡部さんが、とてつもなく哀しくて、最高にカッコいいんです」
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