映画『君の顔では泣けない』で髙橋海人さんと体が入れ替わるという役を演じた芳根京子さんにインタビュー!映画に込めた思い、撮影中のエピソードをお聞きしました!

ーー最初に脚本を読んだ時、どんな印象をもたれましたか?

芳根京子(以下、芳根)「入れ替わりの作品といえば戻ることがゴールと当たり前のように考えてしまっていたのですが、今回はそうではなくて。入れ替わってからの15年間という話なんです。元に戻るというゴールを目指すのではなく、15年間、陸という人物の人生を生きるという。すごく難しいだろうなと思いつつも、ワクワクドキドキしながら脚本を読んだ記憶があります」

ーー作品の中で特に心に残ってるシーンやセリフはありますか?

芳根「このタイトルも印象的だと思うのですが、作中で『俺の顔で情けなく泣かないでくれる』というセリフがあるんです。そのセリフがすごい……すごい苦しくて、二度と言いたくないと思いました(笑)。あれは24歳のシーンになるのかな? そこにきて初めて感情が爆発したというのもあり、特に心に残っています。陸(芳根さん演じる坂平 陸)なりに少しずつ出してはいて、それをまなみ(髙橋海人さん演じる水村まなみ)は受け止めてくれてうまくいっていた関係が、あることがきっかけで歯車が少しずれてしまって。けれどずれたことで動き出すんです。それがすごく苦しくて。けれど人生ってそうだよねと思うんです。歯車が動くことでいい方向に転ぶだけではない、良くも悪くも動き出してしまった瞬間のシーンになりました。苦しいシーンでしたけど、すごく印象的です」

ーーたしかに印象的でしたね。

芳根「のちに返ってきますから、その言葉が」

ーー坂平 陸を演じるにあたり、どのように役作りをしましたか?

芳根「まずクランクインの前にリハーサルを何日もさせていただいて、みなさんとどういう風に攻めていこう?というすり合わせの時間を作っていただけたことで、方向性が決まりクランクインを迎えられたのが良かったと思います。男性だから、女性だからではなく、陸とまなみというそれぞれの人物をちゃんと固めて、私たちにちゃんと軸ができていれば、仕草はついてくるんじゃないかというように考えました。ある意味賭けでもあるけれど、引き算で作りあげてきたという感覚が強いです」