
ーー普段お芝居する時と今回のお芝居では役作りなどで違う点はありましたか?
芳根「役作りに関しては、私はただただ陸を追求しただけだったので、入れ替わりと言ってしまうと難しく考えてしまうけれど、ただ陸と向き合えばいいという意味ではこれまでの作品と大きくは変わらないというところにいきつきました。けれどその陸という人物が自分とは性別が違い、バックボーンが複雑で……という、そういう解釈で攻めていきました。戻るというのも難しい役作りではあったのですが戻らないことがこの作品の面白さの1つだと思います」
ーー入れ替わった相手を演じた髙橋海人さんと演技を合わせるためにした準備やエピソードなどはありますか?
芳根「リハーサルの時にお話させていただきました。リハーサルが終わり、本番がはじまると1日1日の撮影がすごく濃くて。それでも髙橋さんはすごく自然体で現場にいてくださって。例えばカフェのシーンを撮影したのが夏だったのですが、閉め切って冷房も止めての撮影だったので本当にとても暑くて。カットがかかるごとに外の空気吸いに行って、空気が新鮮!というようなこともありました(笑)。セリフ量も多く、肉体的にも頭脳的にも闘いの場所が多かったからこそ一緒に闘うのが髙橋さんでありがたかったと思います」
ーー撮影中に印象的だった出来事があれば教えてください。
芳根「ケータリングを用意してくださる方が現場にいらっしゃったので、ご飯が毎回すごく美味しくて。そのご飯を目指してみなさんと頑張りました(笑)。ご飯の好みやリクエストも聞いていただいてすごく嬉しかったです。ちなみに私はラーメンが食べたいとリクエストさせていただきました!」
ーー今回の作品を通じて伝えたいメッセージはなんですか?
芳根「自分の人生は本当に自分だけのもので、過去の全てが今の自分だから、やはり自分の人生を大切にしてほしいと伝えたいです。自分の過去をぎゅって抱きしめたいと思えるような作品だと思っているので、最近いいことないなと思っていても、その一瞬一瞬もかけがえのないもので、自分の人生は唯一無二ということをこの作品で感じ取っていただけたらすごく嬉しいと思いますし、この『君の顔では泣けない』というタイトルが作品を見る前と見終わった後では受け取り方が違ってくるのではないかと思います。少しでも何か受け取っていただけたら、陸とまなみも報われると思います」
PROFILE

KYOKO YOSHINE
芳根京子
1997年2月28日生まれ、東京都出身。2013年、ドラマ「ラストシンデレラ」で女優デビュー。TBS「表参道高校合唱部!」でドラマ初主演を務める。2019年映画『累-かさね-』、『散り椿』で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2025年は映画、ドラマ、舞台へ出演するなど多岐に渡り活躍中。
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