韓国ではリアルな心の中を吐き出したエッセイ本が大人気。まるで自分事のような内容に共感する人が続出しています。

そんな人気のエッセイ本の中から、特に話題の3冊を韓国在住の編集ライターがピックアップしました。カバーも素敵なエッセイ本が、不安や迷いに悩む女子たちの心を優しく整えてくれるはず。


1.私は私のままで生きることにした

私は私のままで生きることにした_158万部

キムスヒョン 著/吉川南 訳/¥1,430(ワニブックス)

158万部(韓国108万部、日本50万部)を売り上げ大ベストセラーになった本作は、韓国のイラストレーターで作家のキム・スヒョンさんがゆるくてキュートなイラストとともに書きあげたエッセイ本です。

BTSファンを中心に、SNSで大反響を呼び「冒頭のメッセージだけで泣ける」と話題になっています。

「ごく普通の私達が、何が正解なのか分からない世の中で、誰の物まねもせず誰も羨まず、自分を認めて愛する方法を伝えたい」というキム・スヒョンさんの想いから生まれた作品。

世界にたった一人しかいない“自分”を大切にして生きていくために、忘れないでほしい70のことが、軽快なことばとイラストで綴られています。また、厳しく数字に縛られた韓国社会のリアルを知ることができます。

その一部がこちら。

・意地悪な相手にやさしくする必要はない
・人生から数字を消そう
・彼らにあなたを評価する資格はない
・自分以外の何者かになろうとしないこと
・十分に悲しむ
・すべての人に理解されようとしなくていい
・自分を責めない
・ときには寄り道してみよう
・過ぎ去った過去と決別する
etc…

「あなたは何も間違っていないよ。あなたらしく、胸を張って生きていればいいんだよ」という冒頭の言葉から身に染みます。

人と関わりながら生きていくこの世界では、どうしても人の目が気になってしまったり、自分よりも優れた人と比較して落ち込んだり、数字で評価されたことがすべてだと勘違いしてしまっていませんか?

これを読んだ読者からは「心が疲れたときに読み返したい本」「肩の力を抜いてくれる」「読んでいて心地良かった」「韓国と日本で似ていることが多くて共感できた」といった声が多数寄せられています。

自分に自信が持てない、人と比べてしまう、自分で決められない……そんな悩みがある方はぜひ手に取ってみてはいかgでしょうか?読み終わったころには、心のつきものがすっと落ちて、すっきりと清々しい感覚になるはず。


2.怠けているのではなく、充電中です。

怠けているのではなく、充電中です。

ダンシングスネイル 著 生田美保 訳 ¥1,650(CCC メディアハウス)

最近は何もしたくない、何もかもが面倒、理由はないのになんだか憂鬱だし、不安……。そんな気持ちに陥っている人におすすめしたいのが、イラストレーターとして活躍するダンシングスネイルさんの作品。

彼女自身が長い間、無気力症、うつ、不安症を患い「私だけがおかしいのか」と自問する日々の中、自分自身をなぐさめ、心の中の思いを吐きだそうという個人的な理由から絵を描き文章を書き始め、それをまとめたものがこちら。

誰にもでも訪れる人生のスランプを克服するために、小さくても確実な心の充電法が紹介されています。

・みんなログアウトしてもらえますか?
・頑張らなくても器用にできる人がうらやましい
・今日も人の目ばかり気にしていました
・なんで断れないの
・一緒にいるときでもひとりの気分
・人に会うととにかくエネルギー消耗
・これが間違った選択だったらどうしよう
・私が私で本当にイヤ
etc…

悩める心の内をリアルにさらけ出していて「私もそんな風に感じることある!」と、首をブンブン縦に振ってしまうことも。自身の経験とそんなときにどうしたらちょっと心が楽になるのかがまとめられています。

“不完全で いいじゃん”。と書かれた帯も印象的。

人は不完全なのが当たり前で、“完璧の皮”を被って無理に笑う必要なんてない。スランプは誰にでも起こること。人と比べるのではなくて自分と向き合って、何かに気が付いたら心を休ませて自由に解放してあげることが大切だと教えてくれます。


3.すべての瞬間がきみだった きらきら輝いていた僕たちの時間

すべての瞬間が君だった

ハ・テワン 著/呉 永雅 訳/¥1,540(マガジンハウス)

韓国の人気ドラマ「キム秘書はいったい、なぜ?」(パク・ソジュン、パク・ミニョン主演)にて劇中の重要シーンで使用されるやいなやSNSで爆発的な人気になった、作家のハ・テワンさんの2作目にあたる詩集です。

2019年には韓国でミュージカル化されたり、大人気ボーイズグループSHINeeのメンバーまでが「心に残った愛読書」に挙げたことも話題になりました。

「君と僕」が織りなす、温かくも切ない恋のストーリーが短文で綴られていて、読むたびに心がほんわりと温かくなる作品です。

・ささやかなゆとりをきみに
・自分を心から好きになる方法
・きっといい人に出会えるはず・
・最近、どうして? ってくらいにいろいろとつらいよね?
・これからはいいことが起きるよ
・きみは前だけを見ながら生きればいい
・きみのことが好きで不安なぼく
・傷ついたぶんだけ強くなれるように
etc…

読者からは「こんなふうに誰かを愛せたらなって思う」「優しさに包まれるようでした」「真っすぐな真心込もった愛・切ない別れの予感・傷つき凹んだ夜の励まし…寄り添ってくれる、温かい言葉の数々に癒されました」「疲れた時や傷ついた時に優しく慰めてくれる本」といった声が寄せられています。

恋愛に疲れた人も、今恋愛中の人も、しばらく恋愛から離れている人にも、人を愛することの切なさと愛おしさを、美しい言葉で綴った本作は、きっと心を温めてくれること間違いなし。


●二俣愛子
韓国在住の編集者・ライター・PR。雑誌やWEBにて韓国に関する記事を寄稿。Instagram(@aiko_shin4)では、韓国の最新スポット、グルメ、コスメ情報を紹介している。また、アクセサリーショップ「owol.」(@owol__official)のオーナー兼ディレクターを務める。


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edit&text_AIKO FUTAMATA
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