『ゲーム実況』で人気を博し、現在はマルチ系の動画クリエイターとして常に注目を集めているゆきりぬ。おしゃれと無縁だったリケジョ時代からトレンドセッターとしてファッションブランドを立ち上げるようになった経緯まで。6年の軌跡を振り返ります!

「会社員として働くイメージはなかった」

リケジョが“きゅん”を見つけるまで

―YouTubeを始めたのは?
「リケジョだった大学時代、HIKAKINさんのゲーム実況のYouTubeが好きでよく見ていて、私もやってみようと思ったのがきっかけです。高校まで女子校だったのでまわりにゲームが好きな女のコがいなくて。ネットで配信すれば、コメントなどの反応が戻ってくるのがいいなって思ったんです。そのときに視聴者さんから『せっかくならYouTubeっぽい動画も上げて!』っていうリクエストが来て、『やってみた』みたいなマルチ系ジャンルの動画をアップするようになりました」

―大学卒業の時期、就職する道もあったと思うのですが、YouTubeに絞った理由は?
「IT系の会社のインターンなども経験させてもらいつつYouTubeを発信していた時期もあって、就職も視野に入れていたけれど、会社員として働く自分があまりイメージできなかったんです。その頃、YouTubeはいい感じでチャンネル登録数も上がってきていたので、それもあってYouTube一本でやっていこうって決めました」

―どんな動画がバズりました?
「その頃流行っていた『恋ダンス』動画とか『コーラにメントスをいれてみる』っていう動画ですね。その頃は女性クリエイターがまだ少なくて、珍しかったというのも注目された理由の一つだと思います。あと勉強系の動画も結構あげていて『こういうふうに成績をあげました』とか『センター試験前の対策』などの動画をあげていたので、テレビのクイズ番組などに呼んで頂く機会も増えたんです」

―そこからファッションに目覚めたのは何かきっかけが?
「ずっとおしゃれには興味があったのですが、キャラじゃないなって封印していた時期があって。実は14歳まで子役をやっていて、その頃にミスセブンティーンのオーディションに行ったことがあって。最終候補まで残ったんだけど落ちてしまったことから、自分は向いていないのかなって思い込んでしまったんですよね。それで勉強に打ち込むようになったんですけど、YouTubeを始めてからはまわりに可愛いモデル出身のクリエイターが増えてきて、自分ももう一度挑戦してみようって思ったんです」

アパレルブランドcyun%を立ち上げ

cyun%

―この春には自身のブランドcyun%も立ち上げました。
「自分のブランドは中学生の頃からの夢だったんです。その夢をまわりに言うきっかけがなくて……諦めかけていたのですが『やっぱりやりたい!』っていう気持ちが再燃して。今までもアパレルブランドさんとコラボアイテムを作らせていただいたことはあったのですが、自分のブランドをやりたかったので、こういう形で実現しました」

―ブランドを立ち上げるとなると服のデザイン以外にもこだわる部分があると思うのですが?
「自分の中で、インフルエンサーがブランドを立ち上げる意味ってなんだろう、ということを考えて、やはり‟速さ”が大切だなって思ったんです。動画クリエイター自体がやりたいって思ったことをすぐにアップできるという特性があるので、思いついたデザインをすぐに形にして商品化できるように、スピード感は大切にしています。

あとはECを中心に販売していくのでIT関係に強い会社さんとアイデアを出しあって運営することにしました。今ハマっている中国のオンラインショップって必ず商品紹介のページに動画がついているんです。服ってやっぱり動いてみないと生地感だったりがわかりづらいので、そういった動画も一緒にアップするようにしたり。自分の届けたいデザインを早く届けられる道筋を作ることにもこだわりました」

益若つばささんのアドバイスをきっかけに

自分の“きゅん”を突き詰める!

―YouTubeの「cyun活」がブランド名の由来になっているそうですが、cyun活とは?
自分がきゅんとするものを好きに楽しもうっていうことをcyun活と呼んでいます。もともとおしゃれに興味のないふりをしていた私が、メイクやファッションに目覚めていく様子もYouTubeにアップしているのですが、色々葛藤もあって。

最初は“垢抜け”をテーマにアナウンサーさんのような一般的に“可愛い”とされるところを目指していたのですが、自分にはしっくりこなくて。そんな悩みを抱えていたときに仲良くしてくださっている益若つばささんに相談したら『自分でブランドをやりたいなら色んな服を着て自分のスタイルを見つけたほうがいいよ』ってアドバイスをくれて。その言葉をきっかけにもっと自分の好きを極めてみようって思えたんです」

―cyunという言葉が出てきたのは?
「私は何がやりたいんだろうって考えたときに、人に何を言われても自分の好きを貫きたいって思って、自分のこころがときめくものという意味で『きゅん』というワードがでてきたんです。それがちょうど1年前くらいのこと」

―cyun%のデザインのイメージソースは?
「この春のキーワードの一つになっているのですがY2Kだったり中国ファッションだったりが自分の中でも好きなので、それをギュッと詰め込んだデザインになっています」

―新たなトレンドをキャッチする嗅覚が抜群なゆきりぬさん。自分の中の“cyun”を探すときに参考にしているものは?
「もともと韓国ファッションが好きだったのですが、Twitterを見ていてタイムラインで中国コスメが流れてきて興味を持って。その頃はまだロフトなどにも置いてなくて最初は個人輸入サイトとかで購入しました。

それで(益若)つばささんと話していたときに『小紅(レッド)』という中国のインスタみたいなSNSを教えていただいて、それに夢中になって中国ファッションにハマっていったんです。それで『タオバオ』というアプリがあるって知って『レッド』で見つけた服のブランド名を『タオバオ』で検索して中国のブランド服を買えるようになったんです」

自分の理想に近づくために

『似合わない』なら『似合わせにいく』!

―自分の好きを極めるにあたって「似合うかどうか」というのもsweet世代は気にするポイントです。
「自分が好きなファッションにチャレンジするにあたって『前のほうが良かった』とか『似合わない』っていう意見をもらうこともあって悩んだ時期もありました。

ただ自分が試行錯誤しているなかで、気がついたのが『似合わない』のではなく『似合わせに行く』ことが大切なんじゃないかと思って。例えば、自分の理想に近づくために一歩踏み出したときってなんかしっくり行かなかったりもする。自分のあとから振り返るとバランスが悪かったりなにか原因があるんですけど、まわりからも『変だよ』とか言われるとそこで諦めちゃったりして。でも諦めずになにか試行錯誤していけば最終的にしっくりくるようになるんです。そう考えると、似合わないものってないんじゃないかって思う。

自分なりに『似合わせに行く』方法はあるともうのでそれを途中で諦めずに模索することって大切だと思うんですよね。もちろん本当に似合わないものはあるのでそれを知ることも重要です。ただそこで全部終わりじゃなくて色を変えるとか形を変えるとか、どうしたら似合うんだろうっていうところを色々試していくうちに自分なりのスタイルが見つかるんじゃないかと思います」

―なかなか自分がどうなりたいのか考える機会もないですよね。
「私もふと考えたときに、『例えば明日死んじゃうんだったら、今の自分のままで死ぬのはゼッタイにイヤだな」って思ったんです。だから明日死ぬんでもいいように常に一番可愛い私でいたいなって思ったところから自分との向き合い方も変わった気がします」

―3月24日にはビューティースタイルブックも発売になります。
「自分がYouTubeを始めてから今のcyun活に行き着くまでの軌跡や、今、ハマっているファッションやメイクなど、自分の好きを楽しんでいる今の自分をお届けしたいです」

―ゆきりぬさんもsweet読者と同じ世代ですがこれからの展望は?
「たくさんの人が自分の好きを極められるようになったらいいなって思うので、『cyun活』の布教活動(笑)をしていきたいです。

私は海外が好きで動画のお仕事でもよく行っていたのですが、海外の人って太ってようが胸がなかろうが、自分の好きなファッションや生き方を貫いているって感じるんですね。日本では周りの目を気にしてそれがやりづらい環境。ジェンダーに関しては、日本の考え方も変えていこうということがムーブメントになっているけれど、それ以外にも日本では人と違うことがあまり良くないと思われたりする風潮があって。その窮屈さを払拭していけたらいいなと思います」

〈初のビューティースタイルブックが発売中!〉

ゆきりぬスタイルブック 『今日の私が1番好き! ! ! 』¥2,090(宝島社)

【直筆サイン付き】ゆきりぬスタイルブック 『今日の私が1番好き!!!』¥2,090(宝島社)

〈プロフィール〉


ゆきりぬ/チャンネル登録者数100万人超。ゆるく生きる理系女子動画クリエイター。マルチなジャンルで気の向くままに動画を投稿。メイク、ファッション、旅行、ひとり飯など気ままにお届け!ゆるいのに実は横浜国立大学出身の才女というギャップにも注目。
Twitter @yukirin_u
Instagram @yukirin_u
TikTok @yukirinu

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「ゆきりぬ」

「ゆきりぬきゅんチャンネル」

「ゆきりぬえとせとら。」

「ゆきりぬのゲーム部屋。」

photo_YUMI FURUYA
text_REMI SATO
edit_AKANE MATSUMOTO[SWEET WEB]