Money Heist: Korea-Joint Economic Area
NETFLIX
『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』
造幣局に立てこもる8人組の強盗人質劇を描いたスペインで製作され、Netflixで大ヒットしたドラマシリーズ『ペーパー・ハウス』の韓国版リメイクが面白い!
舞台は、架空の未来で、韓国と北朝鮮が統一を目指し実験的に創設した共同経済区域都市。そこに設けられた新たな統一通貨を刷る造幣局を強盗団が狙う。強盗団も人質も警察も韓国&北朝鮮の混合メンバーで、南北で協力したり、対立したりする。朝鮮半島ならではのこの絶妙な設定が社会的なドラマを生み、人の本性が露わになる展開にはハラハラドキドキが止まらない。
オリジナルから引き継がれるワケありのキャラクター達は健在で、演じるのは今をときめく俳優陣。『シュリ』(99)のキム・ユンジン(警察の交渉人役)や『オールド・ボーイ』(03)のユ・ジテ(天才教授役)などのベテランほか、パク・ヘス(強盗団ベルリン役)はドラマ『イカゲーム』(21)より一層冷酷無比な役を怪演。『バーニング劇場版』(18)のチョン・ジョンソは、小悪魔的なルックスで元軍人の硬派な強盗団のひとりトーキョー役を好演。
現在前編6話まで配信中だが、続きが気になり過ぎて、後編まで待てない!
「私が他のARMY(BTSファン)と違うのは、本当に軍隊(ARMY)に入ったこと」という、シャレが効いたトーキョーのセリフには、冒頭から心をつかまれる。
彼女は、北朝鮮で育った隠れBTSファンのMZ世代(ミレニアル世代+Z世代)で、北の軍隊を辞め“コリアンドリーム”を叶えに韓国に来たが、北出身者として差別され搾取され続け夢破れる。痛快な強盗劇の中に、朝鮮半島の超格差社会という社会問題が描かれるのが韓国版リメイクの特徴。
強盗団がかぶる韓国伝統のお面“ハフェタル”も、権力層への風刺や批判の意味があり、本作のメタファーになっているという。
Netflix シリーズ
『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』
監督:キム・ホンソン/出演:ユ・ジテ、キム・ユンジン、パク・ヘス、チョン・ジョンソ、イ・ウォンジョン、パク・ミョンフン ほか/Netflixにて配信中
© Netflix
Disney+ 『ミズ・マーベル』
MCU新作ドラマの主人公は、初のムスリムヒーロー。おたくで妄想癖のあるパキスタン系アメリカ人の女子高生が、ヒーローとして目覚める物語。イスラム文化がポジティブ&真摯に描かれているところが新鮮。
監督:シャルミーン・ウベード=チナーイほか/出演:イマン・ヴェラーニ、マット・リンツ、アラミス・ナイト ほか/ディズニープラスにて独占配信中
© 2022 Marvel
Disney+ 『セックス・ピストルズ』
1970年代、反体制的な歌詞などで世間を騒がせたパンクロックバンド、セックス・ピストルズのカオスな軌跡をギタリストの視点で描くドラマ。ヴィヴィアン・ウエストウッドも登場して魅せる斬新なファッションが見どころ。
監督:ダニー・ボイル/出演:トビー・ウォレス、アンソン・ブーン ほか/ディズニープラス「スター」にて独占配信中