Extraordinary Attorney Woo
NETFLIX『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』


「上から読んでも逆さに読んでもウ・ヨンウ。キツツキ、トマト、スイス……」という自己紹介で挨拶し、クジラの話をし始めると止まらないウ・ヨンウ弁護士。

天才的な頭脳と自閉スペクトラム症を併せ持つ彼女が、驚異的な記憶力と奇抜なアイデアで依頼人を弁護し、社会の偏見や不条理に立ち向かう姿を描いた本作が日韓で大ヒット中だ。

法廷ドラマとはいえ決して堅苦しくなく、訴訟内容は市井の人々やマイノリティによる身近なもめごとが多く、リアルで分かりやすく、むしろ深い。問題解決のカタルシスだけでなく、裁判を新しい視点で見せているところが新鮮だ。

障害により対人関係が苦手なウ・ヨンウだが、彼女独特のルーティンや癖は“個性”として愛すべきキャラクター設定となっており、周囲からの温かい視線やユーモラスなやりとりと共に、優しくほっこりした世界観を醸し出している。彼女がひらめいたときに現れるクジラの海面ジャンプ映像やクジラうんちく節は、癒やされるシーン。

甘い瞳でアプローチしてくる誠実なイケメンとの職場ロマンスも、チャーミングで見応えたっぷりだ。

“ウ・ヨンウ”ブーム、韓国で席巻中
ウ・ヨンウが、親友のトン・グラミと交わす「ウ to the ヨン to the ウ!」&決めポーズのユニークな挨拶方法は韓国で大流行。

BTSほか多くのK-POPアイドルが真似をして話題になっている。また、ウ・ヨンウが大好物のキンパ(海苔巻き)を食べるのを見て食べたくなる視聴者が続出したようで、コンビニのキンパの売り上げはドラマ放映以後急激に増えたとか。

カン・ギヨン演じるベテランのチョン弁護士は、ウ・ヨンウの才能を認めてサポートする理想の上司として大人気キャラとなり、「サブアッパ」(第2のパパ)というキャッチコピーまで誕生。どれも、観れば真似したくなる!



『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
story:IQ164を持つ自閉スペクトラム症のウ・ヨンウ(パク・ウンビン)は、ロースクールを首席で卒業し、ほぼ満点で弁護士試験に合格した新人弁護士。大手法律事務所ハンバダに採用され、職員のジュノやチョン弁護士と共に事件を解決する。

原作・制作:ユ・インシク、ムン・ジウォン/出演:パク・ウンビン、カン・テオ、カン・ギヨン、ハ・ユンギョン、チュ・ジョンヒョク ほか/Netflixシリーズ/Netflixにて配信中

© Netflix

NETFLIX『シングル・アゲイン』


17年来の恋人に別れを告げられた中年のマイケルが、もう一度独身生活を満喫しようとするもスベりまくるラブコメディ。

NYのハイライフを舞台にゲイ・ワールド炸裂で描かれる恋愛模様の悲喜こもごもは、まさに中年ゲイ版SATC。

原作・制作:ダーレン・スター、ジェフリー・リッチマン/出演:ニール・パトリック・ハリス ほか/Netflixシリーズ/Netflixにて配信中

© Netflix

Disney+ 『プレデター:ザ・プレイ』

『プレデター』シリーズ最新作の主人公は、1700年代初頭のネイティブアメリカン最強部族に生まれ育った女性戦士。高度な科学技術を有する危険な戦士プレデターを相手に繰り広げる壮絶な戦いは、原始的だからこそリアルだ。

監督:ダン・トラクテンバーグ/出演:アンバー・ミッドサンダー、ダコタ・ビーバーズ ほか/ディズニープラス「スター」にて配信中

© 2022 20th Century Studios
text_HAZUKI TOGO
web edit_KAREN MIYAZAKI[SWEET WEB]
※記事の内容はsweet2022年10月号のものになります
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