映画館で見るべき! sweetがオススメする最新ムービー4選をお届けします。インスピレーションで選んでみてね。
『秘密の森の、その向こう』
祖母を亡くして悲しむママを気遣う8歳の娘が、8歳のときのママと過ごす“珠玉の時間”を描いた癒やしの物語。
愛する人を失う怖さ、孤独と悲しみを目の当たりにした少女の揺らめく心が、時空を超えて幻想的な森の世界に放たれる。『燃ゆる女の肖像』(19)で高評価を得た映像派セリーヌ・シアマ監督の真骨頂。同い年の母に会えたら、友達になれたら、どんなに楽しく心強いだろうと、夢想して泣いた。
story:8歳のネリー(J・サンス)は、両親と一緒に亡き祖母が住んでいた森の家に行く。が、母(N・ミュリス)は悲しみのあまり姿を消した。翌朝、不安を抱きながら森を散策するネリーの前にママと同じマリオン(G・サンス)を名乗る少女が現れて。
監督:セリーヌ・シアマ/出演:ジョセフィーヌ・サンス、ガブリエル・サンス、ニナ・ミュリス ほか/配給:ギャガ/公開:9月23日より、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
© 2021 Lilies Films / France 3 Cinéma
『ダウントン・アビー
新たなる時代へ』
英国貴族一家と使用人達の生活を描いた人気ドラマの映画化第2弾。これまでちりばめてきた愛と憎しみ、そして秘密にもきっちり片をつけていく展開に胸スッキリ。
もちろん一家の要=先代グランサム伯爵夫人のシニカルなユーモアも健在だから楽しい。
演じるマギー・スミスは、87歳にして衰え知らず。この“英国の至宝”と称される名女優の圧倒的な存在感と軽妙な演技だけでも、一見の価値あり!
story:1928年。屋根の修理費用を捻出するために、屋敷内での映画撮影を許可したクローリー家は大騒ぎ。さらに元伯爵婦人バイオレット(M・スミス)が旧知の男爵から南仏の別荘を贈られると知った息子ロバート(H・ボネヴィル)は、あらぬ疑惑を抱く。
監督:サイモン・カーティス/出演:ヒュー・ボネヴィル、ミシェル・ドッカリー、マギー・スミス、ヒュー・ダンシー ほか/配給:東宝東和/公開:9月30日より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
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『LAMB/ラム』
人気のない山間地で羊農家を営むワケあり夫婦が、ある日羊から生まれた”羊ならざる者”を大切に育てる。その奇妙で閉鎖的な幸福の行く末が、壮大な大自然の下、不気味で無機質な空気感で描かれる。
重要なキャストである羊の演技が、人間と動物の境目が分からなくなるほど秀逸。新進気鋭スタジオ「A24」制作らしい、ただならぬ大人の絵本のような衝撃のスリラー。予備知識ナシで観るのがオススメ。
story:アイスランドの山間に住む羊飼いの夫婦が羊の出産に立ち会うと“羊ではない何か”が生まれてくる。二人は以前亡くした子の名をつけ、その存在を育てることにする。不思議な家族生活は、大きな幸せをもたらすが、やがて彼らを破滅へと導いていく。
監督:ヴァルディミール・ヨハンソン/出演:ノオミ・ラパス、ヒナミル・スナイル・グヴズナソン、ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン ほか/配給:クロックワークス/公開:9月23日より、新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー
© 2021 GO TO SHEEP, BLACK SPARK FILM &TV, MADANTS, FILM I VAST,
CHIMNEY, RABBIT HOLE ALICJA GRAWON-JAKSIK, HELGI JÓHANNSSON
『七人樂隊』
サモ・ハン、アン・ホイ、ツイ・ハークなど、香港映画界から7人の名匠監督が集結し、香港の“美しい瞬間”を撮ったお祭り的オムニバス。
それぞれ作風は違えども、どれも香港への愛が溢れ出ていてあたたかい気持ちになる。全編35㎜フィルムで撮られた映像は、郷愁を誘うノスタルジックな味わい。香港返還に伴う移住、欧米化による世代間ギャップなど、香港に根づく風物がしみじみと胸に沁みる。
story:「稽古」サモ・ハンのカンフー修業時代の自伝的エピソード。「校長先生」教師と教え子たちの絆を人情味豊かに描く物語。「道に迷う」街並みの変遷を中年男の心象風景に重ねた感動編。「深い会話」精神科医と患者の対話がねじれていく不条理コメディ。
監督:サモ・ハン、アン・ホイ、ユエン・ウーピン、ツイ・ハークほか/出演:ティミー・ハン、フランシス・ン、ジェニファー・ユー ほか/配給:武蔵野エンタテインメント/公開:10月7日より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー