「避妊法といえば、コンドーム! 」という人が男女を問わず多い日本。仕事をバリバリこなし、キャリアアップしていく女性も多い中、パートナーとの性生活を考える上で、正しい避妊法を知っておくことは非常に大切です。

最近では、ピルやミレーナなど女性が主体の避妊法も徐々に浸透してきています。有名芸能人がミレーナの装着を公表したことも記憶に新しいですが、その一方、世間ではいまだに不確実な方法で避妊が行われていることも事実です。

避妊についての知識は、常にアップデートすべきもの! この記事では、避妊の必要性や正しい避妊法などについてご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください!

避妊の必要性

正しい避妊法って知ってる?

男性だけでなく、女性にとってもセックスはパートナーとの大切なコミュニケーションのひとつです。しかし現代では、想定外の妊娠を避けるのも重要なこと。

人それぞれ最適なライフプランは異なります。「今がベストだ」と思ったタイミングで妊娠するために、まずは避妊の必要性について考えてみましょう。

20代から30代は、仕事第一の人や子育て真っ只中の人、すでに子どもの手がある程度離れた人など、それぞれ状況は違ってきます。しかしどのような状況であれ、セックスによるコミュニケーションがあり、妊娠を望まないのであれば、避妊は絶対に必要です。

人工妊娠中絶は、ホルモンバランスの乱れや不妊症、子宮外妊娠のリスク上昇、罪悪感や後悔など、女性の心と体にさまざまな影響をもたらします。

しかも妊娠を望んでいない場合、自分の体の異変になかなか気づかず、病院を受診した時にはすでに中絶できる時期を過ぎていたということにもなりかねません。

無理に出産という決断をしたとしても、子どもを育てることへのプレッシャーなどに襲われ、育児ノイローゼになってしまう恐れもあります。

このような事態を避け、女性の心身に負担をかけないためにも、今一度正しい避妊法を学び、自身のライフプランについて考えておくことが重要なのです。

正しい避妊法って知ってる?

正しい避妊法って知ってる?

実は、日本人の妊娠出産に関する基本的な知識水準は、世界の国々に比べて非常に低く、正しい知識がないことで後悔するケースも少なくありません。

そのため、望まない妊娠をしてしまう前に、避妊に関する正しい知識を持っておくことが大切ですが、正しい情報を入手するのはなかなか難しいもの。

そこでここでは、避妊法の種類と特徴、間違った方法などをご紹介します。自分に合った方法を知り、パートナーとの関係をより深めるためにも、正しい避妊法を知っておきましょう。

避妊法の種類と特徴

日本で避妊法というと、コンドームが一般的ですが、実はコンドームのパール指数(100人の女性が使用1年で何人妊娠するかを表したもの=失敗数)は意外と高く、避妊効果は思っているより高いといえないのが現実です。

避妊法は、コンドームだけではありません。以下のように、さまざまな方法があります。

コンドーム

言わずと知れたコンドームは、ラテックスやポリウレタン製の薄いサック状の避妊具です。男性が装着して使用しますが、サイズが合っていないと挿入中に外れてしまったり、爪で破れてしまったりなどのミスが起こることもあります。

また、男性の協力を必要とするため、女性が主体的に行えない点に注意が必要です。

とはいえ、HIVなどの性感染症予防にも効果があるので、有効期限に注意し、正しく装着するなどして慎重に使用しましょう。

経口避妊薬(ピル)

経口避妊薬、いわゆるピルは、毎日服用することで避妊効果を発揮してくれる内服薬です。

ホルモンを調整し、人工的に黄体期の状態を維持することで排卵を抑制します。避妊目的だけでなく、生理日を調整したり子宮内膜症や卵巣がんなどの婦人科疾患の予防に用いられたりもします。

ただし、ピルは避妊効果が高くメリットも多い反面、飲み忘れが多く注意が必要です。

毎日だいたい同じ時間に服用しなければならないなど、使う人に委ねられる面も多いので、きちんと続けられるかどうかよく考えてから使用することをオススメします。

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子宮内避妊システム(IUS)

子宮内避妊システム(IUS)は、子宮内に装着することで黄体ホルモンを子宮内に持続的に放出する避妊具のこと。最近よく耳にする「ミレーナ」はこのIUSの製品名です。

ピルに匹敵する高い避妊効果と、IUD(子宮内避妊具)の長期にわたる避妊効果の2つの特徴をあわせもつ、現代でもっとも効果が高い避妊法のひとつだといえます。

子宮内膜の増殖を抑えて子宮内膜を薄くするため、受精卵の着床を防いだり、子宮口の粘液を変化させて精子が子宮内に侵入するのを防いだりする効果が続きます。1度の挿入で5年間有効な点も、女性にとって嬉しいポイントです!

ただし、挿入後は下腹部痛や不正出血、腰痛、月経周期の変化や過長月経などの症状が現れることも。症状が長引いたり痛みがひどかったりする場合は、早めに受診しましょう。

子宮内避妊具(IUD)

子宮内避妊具(IUD)は、器具の挿入により子宮内の環境を変化させ、避妊効果を発揮します。

避妊効果を高めるために、銅がついているものや薬剤がついているものなどがあり、それぞれ避妊のメカニズムや避妊効果が異なります。

IUD装着後は、月経の量が増える可能性もありますが、1度の挿入で2〜5年間避妊効果が持続するので、ピルを毎日服用することを負担に感じる人にオススメです。

避妊手術

今後一切妊娠を望まない人や、妊娠することで命が脅かされる可能性がある人などは、外科的な治療を行うのもひとつの方法です。

女性の場合は、卵管を縛って卵子の移動を食い止めます。一般的に、経膣もしくは経腹での手術が必要となるため、避妊効果は確実ですが、再接続手術を受けたとしても回復は難しいでしょう。

女性の避妊手術は、帝王切開後や普通分娩の出産直後に行われることも多いです。しかし、未婚で避妊手術を受ける場合は、パートナーにそのことを告げる義務があります。

殺精子剤

膣内で精子を殺すゼリーやフィルム、錠剤をセックスの前に膣内へ挿入する避妊法。

避妊効果は挿入して5分経過しなければ得られず、持続時間も約1時間と決まっているため、この間に射精を行わなければいけません。

正しく使用した場合でも、比較的妊娠する可能性が高いことから、他の避妊法との併用が適しています。

リズム法(基礎体温法)

月経周期や基礎体温の変化から排卵日、妊娠しやすい時期を予測し、その間セックスを避ける避妊法です。

自然のリズムを活用するため、コストもかかりませんが、体調やストレスなどで排卵のリズムが狂うことも多く、効果は確実ではない点に注意しなければいけません。あくまでも補助的な避妊法として利用するのが適切だといえます。

とはいえ、基礎体温は女性が自分の体のリズムを知れるだけでなく、病気を見つける手がかりになることもあるので、毎日計測しておくと安心です。

モーニングアフターピル

コンドームの破損や脱落、ピルの飲み忘れなど、避妊をするつもりでも時には失敗してしまうこともあります。そんな時は72時間以内に婦人科を受診し、緊急避妊ピル、いわゆるモーニングアフターピルを処方してもらうとよいでしょう。

モーニングアフターピルは、1回の服用で80%の避妊効果があります。しかしその反面、健康保険は適用されず、1回15,000〜20,000円前後の費用がかかるため、アクセスしにくい方法であるといえます。

普段コンドームを使用している人は、いざという時のために事前に用意しておくのもひとつの方法ですが、あくまでも緊急避妊法であることを忘れないようにしましょう。

日本で認可されていない避妊法

海外には、日本で認可されていない以下のような避妊法があります。

  • 避妊インプラント:ホルモンが含まれるスティックを上腕の皮下に埋め込む避妊法
  • 避妊シール:ホルモンが含まれるシールを腕や太ももの肌に貼って排卵を防ぐ避妊法
  • 避妊注射:3ヶ月に1度自分でお腹にホルモンを注射する避妊法

海外では、子宮内へ器具を挿入することに抵抗がある人でも可能な避妊法がいくつもあり、その中から自分で選択することが可能です。10〜20代が性や避妊などについて無料で相談できるユースクリニックで、若者に無償で避妊法を提供している国もあります。

間違った避妊法

人工妊娠中絶は、やむを得ない場合であっても女性の心身に多大な影響をもたらし、パートナーとの関係まで変えてしまう恐れがあります。これまで正しいと思っていた方法も、実は間違っているかもしれないので、今一度間違った避妊法について確認しておきましょう。

  • 膣外射精:射精前から分泌液の中には精子が含まれている
  • 膣洗浄:精子は射精されるとすぐに膣内を進んでいく
  • 安全日:体調によっては排卵の時期が不安定になる

妊娠を望んでいないのであれば、正しい避妊法を実践しないなんてもってのほかです。

パートナーに避妊をしてほしいと言いにくい人や「一回くらいなら大丈夫」と思っている人は要注意! 意図せず妊娠した時、自分の身にどのようなことが起こるのか、しっかりと考えてください。

デュアル・プロテクションがオススメ!

正しい避妊法って知ってる?

日本では、避妊法としてコンドームを選ぶケースが多いですが、コンドームはきちんと使用していても100%の効果は得られません。避妊効果が高いとされるピルですら、100%安全な避妊法ではないのです。

そこでオススメなのが、2つの避妊法を併用する「デュアル・プロテクション=二重の防御」です。

ピルやIUD、 IUSを基本に、HIVなどの性感染症予防としてコンドームも併用すると、より確実に避妊ができます。特にピルは100%ではないものの、かなり高い確率で避妊効果を得られるので、ピルとコンドームの併用がもっとも望ましいでしょう。

正しい避妊法で充実した性生活を♡

現在、日本ではさまざまな避妊法が用いられており、女性が主体となって行える方法も数多くあります。

自身のライフプランを考え、妊娠したい時に妊娠するためにも、パートナー任せにするのではなく、2人で正しい避妊法を身につけて充実した性生活を送ってくださいね♡

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