【This Month’s 4 Movies】
今月要チェックの映画を4本ご紹介! 写真を見てインスピレーションで選んでみてね。
『フェイブルマンズ』
映画に魅せられた少年が、夢に向かってひた走る姿を描く清々しい青春グラフィティ。その少年がスピルバーグ監督自身であり、彼自らが懐かしい日々を綴っているとなれば興味も尽きない。科学者の父と感性豊かなピアニストの母。
「我が家は、理科系VS.芸術系の戦いだ」という父の言葉を聞けば、後に革新的な映像にチャレンジし斬新な作品を生み出した足跡に納得するばかり。
story:1952年。初めて映画館で『史上最大の作戦』を観たサミー・フェイブルマン(G・ラベル)は映画に魅了され、母(M・ウィリアムズ)から贈られた8ミリカメラで自主映画を撮り始めた。が、科学者の父(P・ダノ)はそれを単なる趣味としかみなしてくれず……。
監督:スティーヴン・スピルバーグ/出演:ガブリエル・ラベル、ミシェル・ウィリアムズ、ポール・ダノ、セス・ローゲン ほか/配給:東宝東和/公開:3月3日より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.
『エンパイア・オブ・ライト』
海辺の町にある映画館で働く人々が心を通わせていく姿を、コロナ禍で分断された現代の人々になぞらえて描くサム・メンデス監督作。辛い過去に心が壊れそうな中年女性と大学進学の夢を絶たれた青年。
惹かれ合う2人が一緒に過ごす密やかな時間は、傷口にそっと手を当てるかのように、見る者の心を優しく癒やしてくれる。青年役のM・ウォードの素直さと清潔感が、本作が描く“光”をみごとに体現。
story:1980年。イギリスの海辺の町に佇む映画館。マネージャーのヒラリー(O・コールマン)は辛い過去のせいで心に闇を抱えていた。ある日、大学進学への道を阻まれた黒人青年スティーヴン(M・ウォード)が新たな従業員としてやってきて……。
監督:サム・メンデス/出演:オリヴィア・コールマン、マイケル・ウォード、コリン・ファース ほか/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン/公開:2月23日より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
『逆転のトライアングル』
超絶セレブがやりたい放題していた豪華クルーズ船が難破し、サバイバル術に長けたトイレ掃除のおばちゃんが無人島での生き残りを牛耳る世紀の転覆劇。
ファッション業界やルッキズム、現代の階級社会を痛烈に皮肉る毒々しいブラックユーモアの連続には、モヤっとしながらもニヤニヤ。
人間のゲスさを露わにする監督の社会学的な視線は鋭く絶妙に意地悪。まさかのラストオチには脱力必須!
story:豪華客船クルーズの旅に出た人気インフルエンサーのヤヤ(C・ディーン)と恋人のモデルカール(H・ディキンソン)。ある夜、船が難破し無人島に漂着。極限状態の中ヒエラルキーの頂点に君臨したのは、サバイバル能力抜群なトイレ清掃婦だった。
監督・脚本:リューベン・オストルンド/出演:ハリス・ディキンソン、チャールビ・ディーン、ウディ・ハレルソン ほか/配給:ギャガ/公開:2月23日より、TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショー
Fredrik Wenzel © Plattform Produktion
『エブリシング・エブリウェア・
オール・アット・ワンス』
フツーのおばさんが、マルチバースで別宇宙を行き来しカンフーで世界を救う奇想天外なカオスの世界。
「もしもあのときこうしていれば」を体験することで悟る家族愛が、最先端SFで遊びと茶目っ気たっぷりに描かれる。M・ヨーほかが魅せるとんでもアクションからは、監督のアジア・エンタメへの強い愛が感じられる。
米国でアカデミー本命作と言われる本作、受賞を席巻したら映画史が変わる!?
story:父親の誕生会準備で大忙しなのに、経営するコインランドリーに監査が入り、イライラするエヴリン(M・ヨー)。国税局で監査官に絞られていると、優しくも優柔不断な夫(K・H・クァン)に別の宇宙の彼が乗り移り、エヴリンに驚愕の依頼をする。
監督・脚本:ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート/出演:ミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァン ほか/配給:ギャガ/公開:3月3日より、TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショー