プリシラにそっくり、というわけではないものの、あのときの空気や大スターを前にしたときの心境、恋に進展していくさまなど、本当にリアル。1998年生まれのケイリーにとって、エルヴィスの時代は異世界だし、彼らのロマンスもファンタジーみたいなもの。
「私の親がエルヴィスの音楽を好きだったから、エルヴィス・プレスリーのことはある程度は知っていたつもり。それに、中西部の保守的な街で生まれ育ったから、同じように保守的な場所で革新的な生き方を選んだエルヴィスの気持ちはすごくよく分かるの。
そんな彼の人生に飛び込んでいく14歳の少女プリシラがどういう思いを抱いていたか。思いを巡らせるのはすごく興奮しました」
この作品でヴェネチア国際映画祭の女優賞をゲットし、その後の映画賞でも数々のノミネートを受けたケイリー。プリシラ本人同様に、華やかな場所に招かれる機会が急増したことについて「クレイジーよ。めちゃくちゃ(笑)」と振り返る。
「この作品だったらプリシラやソフィア・コッポラ監督も一緒だから、ゴールデングローブ賞授賞式をはじめとする各映画賞の授賞式は楽しめました。
でも、観客的に観ている分には楽しんだけど、自分が主役として参加するとなると、ちょっとまだ戸惑うんですよ。ただ、これもいい経験だし、慣れておかないとね(笑)」
『プリシラ』
story:厳しい両親と暮らしていた14歳のプリシラ (C・スピーニー)は、大スターのエルヴィス・プレスリー(J・エロルディ)とパーティで出会い、一気に恋に落ちる。彼女は親の反対を押し切って、エルヴィスの邸宅で一緒に暮らし始めるのだが……。
監督:ソフィア・コッポラ/出演:ケイリー・スピーニー、ジェイコブ・エロルディ、ダグマーラ・ドミンスク ほか/配給:ギャガ/公開:現在、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー中
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よしひろまさみち
『スウィート』のカルチャーページでもおなじみの映画ライター・編集者
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