誰もがそうであるように、紗栄子も日々の小さな選択を積み重ねて、その地続きに「今」がある。もはや肩書なんてあってないようなもの、“紗栄子”という生き方、その現在地に触れる。

点と点だった活動が線になり、今、いい循環が生まれている

紗栄子の今考えていること
トップス ¥128,000(Simone Rocha/リステア)、ピアス ¥24,200(Soierie)

紗栄子がその手に抱え、心を寄せるものは、私たちの想像が及ばないほどたくさんあった。あえてシンプルにいうならば、芸能活動、会社経営、社会支援の3つが大きな軸。

「厳密にいうと、支援活動はもう10年以上前から携わってきたことだから、仕事というよりライフワークに近い感覚かもしれない。

現時点でいうと、運営している『NASU FARM VILLAGE』という牧場での売上は、保護馬や保護犬の支援につながったり、支援団体『Think The DAY』で販売している防災グッズの利益の全額が支援に使われている。

それこそ10年前は、お金を稼ぐ場と支援する場が別々だったけれど、今は経済活動をしているその先にナチュラルに支援活動ができる仕組みが生まれていて、点と点だったものが線になって、やっと循環するようになってきたんです。

もちろん多くのことに携わるとなると、時間やエネルギーの配分は臨機応変にせざるを得ないし、状況によってすごく変化が大きくて、今は今年1月1日に起きた能登半島地震への支援のために自分の持てる100%のリソースを向けているところ。

ほぼ24時間対応で私のDMにきた現地からの要望に対して応えて、そのためのやり取りを続けているけれど、ただ私はその間も芸能人であり、経営者でもあるので通常業務をやりながら並行で携わっていくかたちにはなります。

ありがたいのは私ひとりで会社をやっているわけではなく、スタッフのみんながいてくれること。先頭を切って進めていくのは私だけど、安心して突き進めるのは、スタッフのみんなが現場を守ってくれる信頼があってこそだから。

私は道なき道を突き進んでいかなきゃいけないし、瞬間、瞬間での判断が求められるという点でも経験値のある私がその場に立つのが自分にできることなのかなとも思っていて。

私たちは命を預かる仕事をしているので、どうしてもその場を離れられない人もいる。被災地にいなくても、後方支援として物資の運搬に携わってもらったり、そうやって適材適所でチームとして動いていくのが今の最適解なんだと思う」