困っている人がいるなら助けたい特別ではない当たり前の感情

紗栄子の今考えていること
「お食事を手渡しさせていただきながら、被災者の皆様と積極的に交流するようにしています」

今でこそ活動の軸ともいえる被災地での支援活動やファームの運営も、どちらも始まりは「無知で分からないことだらけだった」と振り返る。支援の第一歩は募金からだった。

「支援活動は、最初は大きな団体に個人的に寄付をするところから始めました。ただ、『寄付したお金は実際にどうやって使われているんだろう?』とちょっとモヤモヤした気持ちを抱えていて。

東日本大震災のときは、子どもたちも小さかったので現地に赴くことが難しくて寄付や募金で支援して、小学校に入るとグッと動きやすくなって、支援団体に参加して現地でボランティアをするようになりました。

確実に正しく募金が使われていることをSNSで発信すれば、私のようにモヤモヤを抱えていた人たちもクリアになるし、素晴らしい活動をしている支援団体の存在を紹介することで、支援の輪がまた大きくなっていく実感もありました。改めて”芸能人”という求心力を正しく使っていきたいと思ったんですよね。

転機になったのは、大きな台風が立て続けに上陸した2019年。千葉県が大きな被害に遭ったときに、私はちょうど九州の水害ボランティアから帰ってきたタイミングで。飛行機を降りて、インスタを見たら、すごい数のDMが届いていたんです。

『千葉がとんでもない状況になっています』と。でも、東京は普段と変わりがないし、テレビを見ても千葉の被害は報道されていなかった。状況が分からないけれど、お水は絶対に必要だろうから持っていこうと、その日の夜のうちに物資を集めて翌日現地入りをしました。

『市原ぞうの国』では、停電で水も食べ物もなくて、SNSで物資のご協力を皆さんにお願いしたり、築地でお野菜を買わせてもらったり、初めて自分で行政の方と直接やり取りをしました」