――本作への出演が決まってから、役を演じる上でどんな準備をされましたか?

心の準備でいうと、原作漫画と台本の両方をしっかりと読み込みました。全8巻ある原作を映画では2時間にギュッと凝縮しているので、その中でメッセージを伝えなきゃいけないという意味で、どちらの意図も汲みとる必要があると思い何度も何度も読み返しましたね。

外見に関しては監督とも話し合って、できるだけ髪を梳いたり整えたりせず伸ばしていました。言葉にするなら“もさい”感じ。学生の役なので、そういったところも結構意識していました。ただノーセットで長さもあったので、すごい鬱陶しかったですね(笑)。

 

――役について、事前に監督の三木康一郎さんと話し合いがあったんですね。

こういったシリアスな作品に出演するのが初めてだったので、「演じるとは」みたいな“いろはのい”から教えてもらいました。一つ前の作品でもご一緒していて、コミュニケーションが取りやすかったのもあって、普通にご飯を食べに行ってたわいもない話をしつつ、作品についても色々と相談に乗っていただいてましたね。

 

――猪狩さんが演じられている、男子高校生・新妻は物語のカギとなる重要な役どころですね。映画の公開を控えた今の心境をお聞かせください。

不安ですね。撮影前の不安であれば、時間を割くことで解消していける部分があると思うんですけど、もう完成している状態で観てくださった方からどういった評価を得られるのかっていう不安は、僕が今どうこうできることではないので。

この作品がお客さんにどう届くのかっていう不安と緊張で、ドキドキしています。