――重いテーマの作品であり、猪狩さん演じる新妻もトラウマを抱えている難しい役どころでしたが、気持ちを引きずってしまうことはありましたか?そのときはどのように切り替えていましたか?

撮影期間も東京での仕事が結構あったので、富山と行ったり来たりの生活だったんですけど、自宅に帰ると色々考えちゃって寝れない日とかありました。

撮影が終わったら自然と落ち着いてきた感じはありましたけど、でも撮影中は心のどこかで引きずらなきゃな、みたいな気持ちも正直あったと思います。こういう作品なので。

猪狩蒼弥

――yamaさんが歌う主題歌「独白」を初めて聴いたときの印象は?

感動しました。元々yamaさんが好きっていうのもあるんですけど、すごく綺麗な曲ですよね。yamaさんが主題歌に決まった時、監督がすごい嬉しそうに話してました(笑)。この作品に寄り添った歌詞も沁みましたし、エンドロールにぴったりというか、作品の余韻をいい感じに引きずってくれる曲だなと思いました。

 

――なかなか一言では伝えられない作品だと思いますが、特に注目してほしいシーンや、本作の見どころを教えてください。

(奈緒が演じる)先生が(風間俊介が演じる)早藤に立ち向かうシーンは、結構くるものありました。そこは明確に先生が変わった瞬間だと思うんですよ。そこだけを観たらピンとこないけど、物語を最初からしっかりと観ていただけると、きっとグッとくるシーンだと思います。

この作品を観に行くという気持ちになってくださった時点で、何か思うことがあったり感情を動かされたり、ある種この作品の意義が達成されている気がするんですよね。

人間のあまり綺麗じゃない部分をあえて描く美しさもある気がして。ただこういうことが起こってますっていうことじゃなくて、あくまでも作品の1つとして、ご覧いただけたら嬉しいなと思います。