芸能活動、会社経営、社会支援など多岐にわたる活動を続けている紗栄子が牧場の経営者に。命と向き合う日々のことや、芸能活動をつづける真意などを聞いてみました。

命を助けたくて始めたけれど、いつも覚悟を決めている

紗栄子に牧場の経営者という肩書が加わったのは2020年の夏。牧場では、ケガや病気、年齢を理由に、競走・競技などから引退した馬の他、犬も保護している

「やりたくてやっているというよりは、私がやらないといけないよねという使命感。失われそうな命が目の前にあるなら『じゃあ、どうにかしなきゃ』って。

牧場に関しては、最初はお客さんとして遊びに行っていて、こんなに素晴らしい場所があるんだと感動しました。ところが経営母体が変わるとなって、自分が関わった人や動物たちの生活が危ぶまれていると聞いてしまったら、私にできることがあるんじゃないかと思ったの。それが牧場運営に携わるきっかけでした。

第一次産業に携わったこともなければ、接客業も飲食業も未経験。牧場と動物を守るために請け負ったものの、あまりに経験値がなくて。牧場にかかわる全ての事業を理解しようと、まずは元々働いているスタッフたちを知り、私のことも理解してもらうために、みんなと一緒に働くことからスタートしました。

でも、当時の私にできることはなくて、1日目はひたすら草むしり。そこから3カ月間は毎朝草むしりをするんですけど、他にもキッチンの掃除ならできるなとか、自分ができそうなことを見つけて、それを少しずつ増やしていって今がある。全部が全部、その積み重ねなんですよね」