成人指定映画ながら、今年日本でも大ヒットを記録した『哀れなるものたち』を手がけたヨルゴス・ランティモス監督。そしてその主演エマ・ストーンが再タッグを組んだ新作『憐れみの3章』は、「愛と支配」をめぐる3つの異なる物語からなるアンソロジー。同じキャストがそれぞれ異なる役柄を演じた、奇想天外かつ不穏なブラックユーモア作品だ。

『哀れなるものたち』にも出演したウィレム・デフォーは「最初、エマと監督が一緒に電話をかけてきた」とオファーされたときを振り返る。

「急な電話だった。でも、2人がかけてきたんだから、目的はなにか、すぐに理解できたんだ。『哀れなるものたち』は私にとって素晴らしい時間で、とてもリラックスしながら生産的で楽しい撮影現場だったから、彼から次のプロジェクトで私に何かやってほしいと言われたときは、脚本を読まずに飛びついたんだよ。

でも実際読んでみると、ストーリーはとても複雑かつとても美しかった。最初のうちは、頭を整理するのが少し難しかったけど、撮影に入ると、ある種の論理とつながりが見えてきたね」