3つの物語には共通のテーマがあるものの、それぞれは全く違う内容。演じるにあたって、どのような工夫があったのだろう。

「私にとって、それぞれのキャラクターが、それぞれの物語の中でどのように動いているのかはとても違っていた。彼らの行動や働きによって、その人物像が明らかになるから、それぞれを比較なんてできなかった。

1話目に出てくる男と父親のキャラクター、父親のキャラクターと3話目の教団のリーダー・オミを比べる必要なんてないからね。俳優として、役を演じるのに全てを理解する必要はないと思う。私達は人生において、常に理解できないことをやっているからね。この映画には謎めいたことがたくさんあるけれど、それは問題ではないんだ」

特に興味深かったのは3つめの物語で演じた、教祖オミだった。

「彼を演じるにあたっては、分析しないでもいけたんだ。というのも、他の役よりも衣装の試着が少なくすんだから。じつは役作りって衣装から得られる情報が非常に多いんだけど、彼の衣装とキャラクターは試着一発で“あぁ、これだ”と思ったんだよ。監督が洋服好きなこともあって、その点では助けられることが多かったと思うよ」

ウィレム・デフォーのインタビュー

ウィレム・デフォーのインタビュー

ウィレム・デフォーのインタビュー

『憐れみの3章』
story:事故から奇跡的に生還したが別人のようになった妻に恐怖心を抱く警官、自分の人生を取り戻すために奮闘する男、奇跡を起こすことができる人物を探す女……3つの不穏な物語で構成されたアンソロジー。

監督:ヨルゴス・ランティモス/出演:エマ・ストーン、ウィレム・デフォー、マーガレット・クアリー、ジェシー・プレモンス、ホン・チャウ ほか/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン/公開:9月27日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
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