おこぼれワイドショー【Yes or No?】
このゴシップ発言はアリ?ナシ?を考える社会派コラム(ウソ)。
突然ですが最終回はネトフリの是非です。

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アカデミー賞は誰のためにあるの?

いきなりではありますが、このコラムは今回で最終回。ということで、最後にふさわしいかどうかは別として、映画界を揺るがしているこの発言を。

泣くコも黙る巨匠スティーブン・スピルバーグ監督が、アカデミー賞のルールに関してこんなこと言ったのね。「数館で1週間程度しか劇場公開されない映画に、アカデミー賞のノミネート資格はないと思う」。これは今年のアカデミー賞で、Netflix作品の『ROMA/ローマ』が作品賞の有力候補になったことを問題視したってこと。

さらに、それを受けてか、4月に行われたシネマコン(映画館などの興行社向けのイベント)で、これまた泣くコも黙る大女優のヘレン・ミレンが「Netflixなんか××食らえ!」と発言。そりゃ映画館の人達相手だから、会場は大喝采だったんだけど……。

う〜ん。一般人からすると正直言って、いい映画だったら評価すべきじゃない?って感じ?たしかにグレーな部分だとは思うのよ。アカデミー賞の候補作は、映画館で上映された作品、というルールがあるから。

でも、他のアカデミー賞狙いの作品同様に、あの作品はそのルールをクリアするために、期日までの間に劇場公開をしているのよね。しかも、そもそもNetflix用に作られた作品じゃなくて、監督が手弁当で作り上げていた作品の配給権をNetflixが買い取っただけ。

ここで忘れちゃいけないのは、スピルバーグほどの大物がどうやって大物になったか、ってこと。たしかに劇場さんがたの協力なくしては、彼は「世界のスピルバーグ」にはなれなかったから、劇場の収益に影響しかねない業界は敵に見えるのよ。でも、その一方で、彼の娯楽大作によって劇場から閉め出されたアート系の作品もあったわけ。

彼の主張は分かるけど、一般の人が求めるのは「いい映画」なんだから、Netflixだからアカデミー賞から閉め出します、ってのは、これだけ娯楽に選択肢が増えた現代には筋が通らないんじゃない?老害って言われないようにしてね、お2人さん。

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text_Masamichi Yoshihiro
illustration_Kuro Nohara
edit_AYAKI ANDO[vivace], FASHION BOX
sweet 2019年6月号

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