モデルとして、そして新世代を担うオピニオンリーダーとして活躍中のIt girl、長谷川ミラちゃんの連載第6回目! 本連載のテーマは「ウェルビーイングな世界をめざす」コト。今月は、先日開催されたオリンピックで起こった出来事を多角的に見ることで、より多様でより幸せな社会について考えていきます。


みんなで考えよう♡

皆さんオリンピックは見ましたか? スポーツが大好きな私は、ビールとポテチを片手に存分に楽しみました。選手の皆様本当にお疲れさまでした。
今年のオリンピックは、コロナ禍という前代未聞の状況の中で開催されたことはもちろん、それ以外にも、アスリートが積極的にメッセージを発信したり、メンタルヘルス問題が浮かび上がってきたりなど、まさに“異例”づくしでした。今回は、私が気になったオリンピックにまつわるトピックスをピックアップしてご紹介。

あなたはこれを見てどう考えますか?
答えはひとつではありません。このページがきっかけで、未来につながる素敵な議論を、友人や家族や恋人としてくれたら嬉しいな。

OLYMPIC2020

「多様性と調和」がコンセプトのひとつに掲げられた今回のオリンピック。コロナ禍での開催への疑問、浮き彫りになった性差別・人種差別問題、アスリートのメンタルヘルスについてなど、様々なトピックを考える今後へのきっかけにも。

抗議活動に関する
ガイドラインルールが一部緩和へ

今回の東京五輪から、アスリートの競技前後の「個人の見解を示すこと」に関する規制が一部緩和に。長らく禁止されてきた大会期間中の政治的な抗議活動が一部容認されたことを受け、様々な国の選手がメッセージを発信。協議前に膝をついて人種差別に抗議したり、試合後のインタビューで個人の見解を自由に述べたりなどする姿が各競技で見られた。

女子アスリートのユニフォームに新時代到来。

女性アスリートのユニフォームを巡って、各競技で革命が起こった今回のオリンピック。短い丈のボトムや、ボディラインが出るユニフォームの選手の盗撮や性的な目的での撮影が、問題に。女性アスリートの性的消費は、絶対に許されない。勇気ある意思表明をしたドイツとノルウェーの事例をご紹介します。

ドイツの体操選手団くるぶし丈のユニタードを着用

ドイツの女子体操選手達が今回着用したのは、レオタードではなく、くるぶしまで覆われたユニタードと呼ばれる素敵な衣装。女性アスリートがこれまで性的な対象として扱われてきたことへの抗議として、意志を貫いて行動したドイツチームに、各方面から喝さいの声が。ビキニタイプのレオタードでなくても、四肢を美しく魅せることはできる、と証明した。

トランスを公表したオリンピアンが初めて誕生

LGBTsの向上においても、未来に向かって前進しする出来事が。サッカーのカナダ女子代表のクイン選手が、トランスジェンダーを公表しているアスリートとして初めてオリンピックに出場したのだ。彼女はインスタグラムで、「私は、変化は必ず起きる、ルールや法律や人々の考え方は必ず今後変わっていけると信じている」と発言。そんな彼女の所属するカナダ女子サッカーチームは、見事金メダルを勝ち取った。

新種目、スケートボードにみる真のスポーツマンシップ

東京オリンピックで採用された新競技、スケートボード。女子決勝で日本の岡本碧優選手が着地に失敗した際、他国の選手が彼女をたたえて担ぎ上げ、元気づけている姿が「これぞ最高のスポーツマンシップ」と感動を呼んだ。スケートボード選手達の、年齢や国籍、結果などに関係なくお互いを称えあい、笑顔で仲間を応援する姿に、スポーツの素晴らしさを再認識した人も多かったはず。

ノルウェーのビーチハンドボール選手団がビキニ着用を拒否‼

ビーチハンドボールの試合でも、ノルウェーのチームがビキニパンツの着用を拒否して話題に。国際ハンドボール連盟は、ユニフォーム規則で「女性選手はビキニのパンツをはかなくてはならない。からだにフィットし脚のつけ根に向かって切り込んだビキニタイプのもので、側面の幅は約10㎝まで」と決めているが、彼女達はこれに抗議し短パンを着用。選手ひとりあたり150ユーロの罰金を科せられたが、これを受けて歌手のPiNKが「ノルウェーのビーチハンドボールチームを誇りに思う。私があなた達のために喜んで罰金を支払う」とチームを称賛しエールを送った。

シモーン・バイルスが示したメンタルヘルスケアの在り方

リオオリンピックでも5個のメダルを取るなど、数々の功績を残してきたアメリカ女子体操代表のシモーン・バイルス選手。今回、団体の予選を途中棄権。

その理由として「世界が肩にのしかかってくるような重みを感じて苦しくなった。私は自分の心の健康に集中しなくてはならない。スポーツ界では今、メンタルヘルスの問題への認識が前より広まっていると思う」と発言。彼女の勇気ある行動に、称賛が集まった。

ジャスティン・ビーバーは「君のことを誇りに思う」と発言、スーザン・ライス元大統領補佐も「ありがとうシモーン・バイルス。心の健康が第一だと教えてくれて」とツイート。5月には、女子テニスの大坂なおみ選手が、「アスリートの心の健康状態を無視している」と全仏オープンの会見を拒否した勇気ある行動も、思い出される。

アーティストのPiNKが支持

大坂なおみ選手も英断を

See you soon ……♡

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※記事の内容はsweet2021年10月号のものになります
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