アルフォンソ・キュアロン『ディスクレーマー 夏の沈黙』について語る【sweetムービーインタビュー】
現在、Apple TV+で配されているドラマ『ディスクレーマー 夏の沈黙』は、まるで長編の映画を観ているかのような気分にさせてくれる格調高いサスペンスとして世界的評価が集まっている。それもそのはず。これを手がけたのは、『ゼロ・グラビティ」やNetflix映画『ROMA/ローマ』で知られる巨匠アルフォンソ・キュアロン。彼にとって6年ぶりの新作となった本作は、彼が念願だったルネ・ナイトの小説『夏の沈黙』の映像化。公私ともに人生の絶頂にいるジャーナリストのキャサリンのもとに届いた匿名の作家の小説が、彼女が隠し通そうとしていた過去を暴くものだったことから心理的に追い詰められていく。映画向きの題材をなぜドラマに!?
「じつはこの企画はずっと温めていたものだったんだけど、いわゆる超大作の映画という規模ではないから、劇場公開する映画としては難しかった。それでシリーズものと
してやろうとしたときに手を上げてくれたのがApple。『ROMA〜』は僕の個人的な企画として撮影し完成したものをNetflixが配・配給権を取得してくれたんだけど、この作品は最初からAppleと二人三脚で制作することができたんだ。こういう中小規模の作品を制作するにあたって、配信っていう選択肢ができたのは僕にとっても映画界にとっても素晴らしいことだってことを再確認したね」
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PROFILE
よしひろまさみち
『スウィート』のカルチャーページでもおなじみの映画ライター・編集者