【北村匠海×林裕太×綾野剛】「10分後に死んでもいいって思えるぐらい、“今”をやり抜いてきた」(北村)【sweet web独占】
闇ビジネスから抜け出そうとする若者3人による3日間の逃亡サスペンスを描いた映画『愚か者の身分』。この記事では、主演の北村匠海さん、共演の林裕太さん、綾野剛さんをフィーチャーしました。第30回釜山国際映画祭コンペティション部門 最優秀俳優賞に輝いた3名が魅せる“魂の競演”とは?作品にまつわるお話を深掘りしていきます!
──まずは、今作にご出演するにあたってのお気持ちを改めて教えてください。
北村匠海(以下、北村)「僕が演じるタクヤは、視力を失う役柄の先に、どういう表現が待っているんだろう?っていうのを楽しみにしていました。というのも、僕は芝居をする上で、特に目を大事にしてきたんです。だからこそ、今まで僕が大事にしてきたものを失いたいっていう願望がありました。何もなくなったときに、自分がどうなってしまうのかなっていうことに興味がある……」
──実際にお芝居をしてみていかがでしたか?
北村「今回、剛さんと2人芝居をするシーンが多かったんですけど、どこに剛さんがいるかとか、どういう距離感があるかとか、全部分からなくて。自分が分かる情報って声と匂いと顔に当たる風くらいなんです。それだけしか情報がないと、逆に芝居の自由度が高いんだなって思いましたね。見えないからこそ発生するイレギュラーにも面白さがあったり……ある種、僕は何もしないくらいの感覚で、剛さんに委ねることができました。普段は人に委ねることが苦手な人間なので、こうなる(見えない)とできるんだなって。芝居の中で、しっかり剛さんに甘えさせていただきました。あとは、本当に何も見えない状態でもアジって捌けるんだ!っていうのが、率直な感想です」
林裕太(以下、林)「僕はオーディションだったんですけど、台本を読ませていただいたときに面白いなって感じて。愛や生きるために必要なことなんかを感じさせる内容に引き込まれました。あとマモルという人物を紐解いてみると、僕が役者として求められる役の像になんか似てるなというふうにも思ったんです。だから絶対に役を掴むつもりでオーディションに臨みました」
──綾野さんはいかがでしょうか?
綾野剛(以下、綾野)「この手の作風は、これまでも描かれてきた題材だと思います。ただ、当時はフィクションとして観られていたものが、もう誰かの隣で起こっているような身近な問題になっており、本作には時代が追いついたからこそのリアリティがあります。役者という立ち位置から何ができるかというのは、正直測れるものではありませんが、今の時代にこういう作品をやる意義はありますし、それぞれの登場人物のパーソナルな部分を演じきったときに起こる映画力をひしひしと感じました」










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