曲者揃いのキャラクターの中で

山田杏奈ちゃんのイチオシキャラは?

―アシㇼパを演じる上で、アイヌの文化で魅力を感じる部分とは?

“カント オㇿワ ヤク サㇰ ノ アランケㇷ゚ シネㇷ゚ カ イサㇺ ”という“天から役目なしに降ろされたものはひとつもない”という意味の言葉が胸に刻まれています。すごく深い意味を持つ言葉だなと思いますし、私自身の人生にも影響を及ぼす言葉なんだろうなと思います。年齢も重ねていくし、環境の変化もあるけれど役目があると思ったら頑張れるんだろうなと感じました。

―前作ではアイヌ語やアイヌの文化を学ばれたということですが、今回も新たに学んだことや印象に残っているシーンはありますか?

撮影するシーンごとに、セリフをベースに新しいアイヌ語を学んでいくという感じなのですが、印象に
残っているのは鮭のチタタㇷ゚をみんなで食べるシーン。作品の中でもほっこりするパートなのですが、 アシㇼパがチセ(家)の中で、アイヌの文化や食をみんなに紹介する場面は、演じていてとても楽しかったです。みんなでワクワク感やユーモアを表現できる場面だったと思います。

―杉元のチームには多彩なキャラクターがいますが、アシㇼパが、それぞれに対して態度を変えているのも印象的でした

そこは、原作のコミックで描かれているバランスがすごく いいんです。例えばチタタㇷ゚のシーンでは、尾形に“チタタㇷ゚”と言わせようとするシーンがあ るんですが、それも意味がないことのように見えるけれど、実はそのやりとりが尾形との距離を探る手立てになっていたりもする んです。それに対して白石のことはすごく信頼もしているけれどちょっと馬鹿にして いたりとか。そういうアシㇼパのちょっとした行動から、い
ろいろ関係性が見えてくると思うし、チームが一つにまとまっていくことにも繋がっていくんじゃないかと思います。

―アシㇼパがチーム内の接着剤になっているということですよね。そして、前作では“オソマ(アイヌ語でウンコ)”などの言葉を連発するシーンがありましたが、今回はそれに加えて“チンポ先生”などの言葉を連呼するシーンも印象的でした。無邪気で可愛かったですが、演じている最中はどんな気持ちでしたか?

もう役に入っているし振り切っているので、意味を意識することは全くありませんでしたね。この作品の楽しい要素の一つでもあるので。特に先生に会って連呼するシーンでは、演技したあとに、アフレコで撮り直したんです。“もっと嬉しそうに”などのオーダーに応えて連呼していました。それもこの作品らしさかなと思います。

―個性的なキャラクターが揃う今作品ですが、山田さんの推しキャラはどなたですか?

曲者揃いすぎるのですが、コミック原作を読んだ時から私の推しは都丹庵士(とにあんじ)なんです。今
作から作品にも登場することを知った時はテンションが上がったし、それを杉本哲太さんが演じるというのがさらに嬉しかったですね。今回の作品内でいうと、“エコーロケーション”という舌を鳴らして周りの状況を把握するという術があるのですが、その演出がとてもカッコよかったんですね。なので、原作だけでなく映画の中でも都丹推しかもしれないと思いました。