言葉や意味はなんとなく知っていても、深く考えてみるとよくわからない「オーガズム」。男性の場合は、性的興奮が最高に達すると射精を迎えるので、オーガズムを迎えたことは目で見てもわかります。一方で、女性のオーガズムはわかりにくいことも。
オーガズムは、基本的に誰でも達することができるといわれています。ですが、「オーガズムに達したことがない」という人も実は多くいるようです。
この記事ではそんな「オーガズム」について、詳しく解説します。オーガズムの仕組みは? どんな感覚? 中イキってあるの? など、気になる疑問についてまとめているので、ぜひ記事をチェックしてみてくださいね。
INDEX
オーガズムってなに?
オーガズムとは、性反応のひとつのこと。男性も女性もオーガズムを感じ、性的興奮が頂点に達したときに起こる強い性的快感のことをオーガズムといいます。
人は、オーガズムに達すると性器の収縮が起こります。これは最初は約0.8秒間隔で2回起こり、その後は間隔が開いていきます。男性の場合は射精が起き、女性の場合は子宮と膣の一部が収縮します。このとき、「オーガズム痛」といって、中には下腹部に痛みを感じることがある人もいるようです。
オーガズムが起こる仕組み
オーガズムが起こる仕組みは、まだはっきりしたことは明らかになっておらず、諸説あります。
一説には「オーガズムは発作のようなものによって引き起こされる」といわれていて、多くの神経細胞(ニューロン)が一斉に興奮し、その反射作用でオーガズムが誘発されるというものです。
オーガズムと脳の関係
オーガズムは主に性器を刺激することによって引き起こされますが、かといって、ただ性器に直接的な刺激を与えるだけでは、オーガズムに達することはできません。
オーガズムに至るためには、脳の状態も重要です。例えば、嫌なことがあって落ち込んでいるときや他のことで頭がいっぱいになっているときには、オーガズムに至ることは難しくなります。
なかなかイクことができないという人は、性的興奮につながることを考えたり、アダルトビデオを見たり、セックスをするムードを作ったり、脳にセクシーな気分を感じさせるようにするといいですよ。
オーガズムの感じ方は人によって違う
オーガズムを迎えたときの感覚は、おしっこ(尿)を出すときの気持ちよさに似ているといわれていますが、科学的には、オーガズムの感じ方は人それぞれ異なり、誰ひとり同じ感覚の人はいないそうです。
特に、女性のオーガズムについての体験談は十人十色。「おもらしみたいな感じ」「意識が遠のくような感じ」「ふわふわして空を飛んでいるような感じ」など様々です。
オーガズムはほとんど誰でも達することができる
オーガズムは、ほとんど誰でも達することができるといわれています。ただし、なかなかオーガズムに達することができない、快感を得られないという人もいます。
また、マスターベーション(オナニー、セルフプレジャー)ではイケるのに、セックスではイケないという女性も少なくないようです。
オーガズムを感じたことのない人も多い
ほとんど誰でもオーガズムに達することは可能ですが、実は、オーガズムに達したことがない人も少なくありません。
海外で2019年に発表された研究では、20歳から64歳のオーストラリア人女性のおよそ21%がアンケートで「オーガズムを感じることができない」と回答したことがわかっています。
オーガズムに達せない状態が慢性的に続くことは「無オーガズム症」と呼ばれていて、男女ともに発症する可能性があります。また、十分な性的刺激があるにも関わらず、オーガズムに達せない、達するまでに時間がかかることを「オーガズム障害」と呼びます。
ただし、オーガズムに達せないことはおかしいことではありません。もともと、普段からオーガズムを得られる女性は半数以下ともいわれています。
オーガズムに至らないことにストレスがなければ、特別な対処法などは必要ありません。ただし、「なかなかイケない」と悩みを感じているのであれば、セックスでイケるようになる工夫をしてみてもいいかもしれません。
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オーガズムは年齢を重ねるごとに達しやすくなる
オーガズムは、加齢とともに達しやすくなるといわれています。これは、女性ホルモンの分泌適齢期を過ぎると男性ホルモンが活発になり、性欲が強くなる傾向にあるから。そのため、20代、30代の女性に比べて、40代や50代の女性のほうがオーガズムを迎えやすくなります。
また、セックスで感じるようになるためには経験も大切だといわれています。初めてのセックスでオーガズムに達することができる人はほとんどいないので、焦らず自分のからだを開発していくといいでしょう。
女性のオーガズムの種類
女性のオーガズムには、いくつかの種類があります。感じやすい場所やオーガズムに至りやすい場所は、人によっても違いがあります。
ここからは、女性のオーガズムの種類についてそれぞれ解説していきます。
クリトリスオーガズム(陰核オーガズム)
まずは、クリトリス(陰核)によるオーガズムです。クリトリスには6000以上もの神経繊維があるといわれていて、女性が一番オーガズムに達しやすい場所として知られています。
まだオーガズムに達したことがない人は、クリトリスを刺激することから始めてみるといいかもしれません。
スポットオーガズム(中イキ)
スポットとは、「Gスポット(膣の前側の入り口から1〜3cmあたり)」のことです。Gスポットの場所には個人差がありますが、クリトリスの次に有名な女性の性感帯で、性的興奮を引き起こしやすいといわれています。
いわゆる「中イキ(膣イキ)」は、Gスポットやポルチオなど、膣内にある性感帯を刺激することでオーガズムに達することを指す言葉です。
ポルチオオーガズム(子宮オーガズム)
ポルチオオーガズムは、子宮オーガズムとも呼ばれ、ポルチオを刺激することで得られるオーガズムのことです。ポルチオは膣の奥の方にあり、子宮が膣に飛び出した部分のことを指します。
なお、ポルチオという言葉があるのは、日本だけ。医学的にはポルチオと呼ばれるパーツは存在しないそうです。
また、ポルチオオーガズムは「ポルチオ」への刺激ではなく、ポルチオの周辺の性感帯(膣の奥の、感度が高いとされている部分)への刺激によって引き起こされると考えられています。
マルチオーガズム
短時間で何度もオーガズムに達することを、マルチオーガズムといいます。男性のオーガズムは射精であるため、一度の性行為で何度も達することはできません。しかし、女性であればマルチオーガズムに達することが可能です。
緊張感や羞恥心から解放され、リラックスして性行為に集中するとマルチオーガズムに達しやすいといわれています。
中イキについて
オーガズムには上記でご紹介したようにいくつかの種類がありますが、話題になることが多いのが「中イキ」です。クリトリスでイクことはできても、膣内(Gスポットやポルチオ)でイケないという人もいます。
ここからは、中イキについて解説していきます。
中イキとクリトリスのオーガズムの違いは?
中イキとクリトリスでのオーガズムは、見た目的な違いはありません。しかし、実際に女性が感じる感覚としては、中イキのほうが満足度や幸福感が高いと報告されているといいます。
また、中イキのほうが、プロラクチンと呼ばれるホルモンの分泌量も多くなるそうです。
挿入で気持ちよくなるのはなぜ?
クリトリスオーガズムの場合、クリトリスを刺激することでオーガズムに達しますが、挿入によって気持ちよくなるのはなぜでしょうか?
これは、挿入によって「膣の内側からクリトリスが刺激される」「膣の奥が刺激される」ためだといわれています。
クリトリスは、からだの表面から見える部分だけではなく、内側にも伸びています。膣を包み込むようにして4本の足を伸ばしていて、挿入による内側からのクリトリスへの刺激が快感につながるというわけです。
また、膣の奥にも性感帯があるといわれていて、これも挿入によって快感を感じる理由のひとつです。
中イキを経験する人はどのくらい?
クリトリスでのオーガズムに達したことはあっても、中イキはしたことがないという人もいます。海外のデータでは、約10%の人が「挿入によるオーガズムを感じたことがない」と回答したそうです。
また、オーガズムに達したことがある人も、「挿入でオーガズムに至るのは2回に1回以下」と、男性の射精のように毎回のセックスでオーガズムに達しているわけではないことがわかります。
オーガズムに達する方法
まだオーガズムに達したことがない人は、オーガズムに達する方法を試してみましょう。
まずは、マスターベーションによって自分が気持ちいいと感じる場所や触り方などを、自分で知ることが大切です。自分でわからなければ、セックスのときにパートナーに伝えることもできません。
マスターベーションによってオーガズムの感覚を身につければ、性的快感を感じやすいからだになり、より性生活を充実させることができるようになるはずです。
性器に触れずにオーガズムに達することもある
オーガズムは主にクリトリスやGスポットなど、性器に触れることで引き起こされますが、中には「オーガズムは性器ではなく、脳で感じる」という説もあります。
ヨガやランニングなどワークアウト中に絶頂を迎えたり、睡眠中にオーガズムに達する「夢イキ」なんて言葉もあるそうです。また、音楽や映画、アートに感動したときに感じるうずくような感覚は「スキンオーガズム(フリッソン)」と呼ばれます。
乳首への刺激でも、オーガズムに至れる可能性があるそうです。
オーガズムの感じ方は人それぞれ
オーガズムについて詳しく解説しましたが、いかがでしたか? オーガズムの感じ方は人それぞれ。また、感じやすい人がいれば感じにくい人、そもそも全くオーガズムを感じない人もいるそうです。
自分のオーガズムの感じ方について、ストレスや苦痛になることがなければ特に対処などは必要ありませんが、「もっと感じやすいからだになりたい!」という人はマスターベーションなどでオーガズムに慣れておくと、感じやすいからだづくりができるでしょう。