怪談、と言えば真夏のイメージだけれども寒い時期に 震えながら観るのもオツなもの。「怖い、怖い」と言いながらも、 一度ハマると抜け出せないホラーの世界。気になる最新映画『牛首村』はホラー界の巨匠、清水崇監督が手がける恐怖の村シリーズ第3弾。映画初主演にしてホラームービーに挑戦したKōki,と、同じくホラー初挑戦の 萩原利久、高橋文哉、フレッシュな若手スター3人にインタビュー! 撮影中にも恐怖体験が !?
―お三方ともホラー映画は初めてですが、最初に脚本をお読みになったとき、どう感じられました?
Kōki, 怖くて、泣きました。それなのにどんどん読んでいきたいって気持ちが止まらないんです。 姉妹や家族、友情など、描かれている人の絆にすごく魅了されました。
萩原 清水監督の作品は観客の想像をえぐってくるような表現なんですよね。わーっと脅かされるというより、じんわり想像させてゾッとさせる感覚。 それが頭に刷り込まれていくんですよ。読んでて新しいなあと思いつつ、勝手に想像させられる分、余計に怖い。そのうえで、人間関係が細かに描かれていて、あっという間に読みましたね。
高橋 じつは……僕、怖いのが苦手で。だから、こ の作品に入るのは大きな一歩でした。でも、台本読んだら、これってどういう風に撮るんだろうとか、これってどういう風な表現をするんだろうとか、想像 がすごい掻き立てられ、わくわくしながら読みきりました。撮影のときに、自分が想像していたことの正解が紐解かれていった感覚です。
―脚本の時点で浮かんでくるビジュアルのイメージが強かったですね。
萩原 「牛の首」ひとつとっても、みんな現場に入るまで分からなかったよね(笑)。
高橋 ちょっとは想像してたけど、実際はだいぶ……
萩原 でかかった(笑)。現場で初めて観たときはびっくり。
Kōki, 台本上で書かれている描写も含め、何が 出てくるか、毎日ちょっと楽しみもありましたね。でも、私が演じた奏音と詩音はつらい場面に直面するシーンが多かったから、そういうシーンを演じる ときは自分も心苦しくなってしまいました。
高橋 そうだよね。僕が演じた将太も喪失感を抱いて日常を生きていない役だったから、ずっと心がつらかった。蓮(萩原)と一緒にいるときの将太だけ、蓮の明るい雰囲気に乗せられて、ほっとするオアシスでね。
―現場では怖い体験はありませんでした?
Kōki, 私達に直接起こったことはなかったんですが、ありましたよね。坪野鉱泉での撮影で、ドローンが飛びづらいってスタッフさんが言ってて……。
萩原 あれ、大変だったよね。
高橋 坪野鉱泉のせいだったの?
Kōki, 多分そのせいじゃないか、って噂。
萩原 そういえば、深夜の詩音の家での撮影で照明が落ちたこともあったって聞きました。
高橋 そうだ……あれ、超怖かったよね。
Kōki, 不気味でしたね…… 。セットも牛の首とか、お札があったりで。あ……それで思い出した。 控え室でメイクさんと2人きりのときに扉をノック する音が聞こえたんですよ。それで呼ばれたと思ってメイクさんが行ってくださったんですけど、誰もいないんです。近くにいたスタッフさんに聞いても、誰も通ってないですよって。あの日は、家に帰ってもひとりになるのが怖かったですね。
―ひえぇ……。やっぱりあるんだ。
Kōki, 撮影って昼間と夜とでは全然雰囲気が違ってて、夜は怖かったです。後ろを絶対振り返りたくないなって思いました(笑)。
― Kōki,さんは初主演で一人二役で、ホラーって、かなり挑戦ですよね。
Kōki, (笑)。でも本当に素晴しい経験をさせてもらいました。清水監督の作品でよかったと心から思います。
萩原 監督、いつも丁寧だよね。丁寧なまんまで 小ボケ挟んでくるのも監督らしさ(笑)。
高橋 監督がついちゃいけない嘘とか(笑)。
萩原 いやあ、楽しかったですよ。気軽にディスカッションできるので、みんな監督に助けられていました。
―皆さんがご覧になった『牛首村』以外のホラー映画でオススメはありますか?
高橋 僕、本当に怖いのが苦手で、テレビの心霊番組とかでもすぐにチャンネル変えちゃうくらいなので、ホラー映画は『牛首村』しか観たことないんですよ。なので、『牛首村』がオススメです(笑)。 あ、でも『呪怨』はチャレンジしてみようかな。
萩原 中学生くらいのときに、友達みんなで集まって『呪怨』を観たけど、ほんと怖かったですね。
Kōki, 私は『樹海村』かな。家族と一緒に見たんですけど、私も文哉くんと同じで本当に怖いのが苦手で、一人で観るのは無理です(笑)。
―『犬鳴村』と『樹海村』は、汚される役が多いけど、『牛首村』はみなさんお綺麗なまま。
萩原 でも、後半はある穴に全員が落ちちゃってるから、あれから毎日汚れてました(笑)。
Kōki, すごいリアルで、美術部さんがすごいなと思いました。入ると、お芝居じゃなくても「うっ」 てなりそうなくらい。
萩原 しかも、完成した映画を観たら、さらにビビ ったよね。想像をはるかに超えていた。
高橋 ラスト近くのある長回しのシーンを観たとき、思い出しちゃったよね。特殊メイクをしたエキストラさんがたくさん出てくるんだけど、現場でも本気で怖くて泣きそうになったのを思い出しました。
Kōki, ただ人が立っているだけ、とかでも怖いんですよね。芝居だって分かっていても、じわじわくる恐怖と、見た目の恐怖、二つを味わえるんだ、って実感しました。
Kōki,さん着用:ドレス¥533,500、ベルト¥52,800(共にFENDI/フェンディ ジャパン)、セルペンティ ヴァイパーネックレス¥536,800、セルペンティ ヴァイパーリング¥583,000(共にBVLGARI/ブルガリ ジャパン)
萩原利久さん着用:ジャケット¥53,900(シンヤ コズカ/MATT.)、その他はスタイリスト私物
高橋文哉さん着用:ジャケット¥59,400、シャツ¥35,200(共にビューティフルピープル/ビューティフルピープル 青山店)、その他はスタイリスト私物
Kōki,
2003年2月5日生まれ。モデルとしてデビュー後、国内外で活躍。女優としては本作が初主演。
Instagram:@koki
萩原利久
1999年2月28日生まれ。ドラマ『美しい彼』で主演を務めるなど、今注目の実力派。
Instagram:@rikuhagiwara_official
高橋文哉
2001年3月12日生まれ。主演作となる『仮面ライダーゼロワン』以降、数々の話題作に出演。
Instagram:@fumiya_0_3_1_2
『牛首村』
“坪野鉱泉”など北陸の最恐 心霊スポットを舞台に、この世で最も怖い怪談“ウシノクビ” などをモチーフに描く本格ホラー映画。2022年2月18日(金)全国公開。www.ushikubi-movie.jp