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SNSでバズった『Zola ゾラ』をジャニクサ・ブラヴォーが語る【sweetムービーインタビュー】

SNSでバズった『Zola ゾラ』をジャニクサ・ブラヴォーが語る【sweetムービーインタビュー】

Janicza Bravo

ジャニクサ・ブラヴォー

■プロフィール Janicza Bravo 1981年2月25日、ニューヨーク生まれ。ドラマ『アトランタ』の1話を監督し注目を浴び、『Lemon』(17)で長編映画監督デビュー。

SNSでバズるもののなかには、とんでもなく良質な物語もある。それを証明するのが『Zola ゾラ』だ。

この作品は、デトロイトに住むアザイア・“ゾラ”・キングという女性による一連のツイートがベース。ウエイトレスをしながらストリップダンサーをしていたゾラが、ひょんなことで知り合い意気投合したステファニという女性と出た悪夢の旅を描いたものだ。

監督を手掛けたのは、このツイートにドハマリして映画化権を手に入れた新鋭ジャニクサ・ブラヴォー

「ゾラの物語は、舞台演劇における心のつぶやきのようで、シェイクスピア的な質感があった。そもそもこのストーリーは3部構成になっていて、起承転結がはっきりしていたんだけど、一番興味深かったのはユーモア。

ゾラはどうしてこんな強烈な体験を笑い飛ばすことができたんだろう、って驚いたものよ。そこで映画化する際、どこに注目するか考え、急速に仲よくなっていく黒人と白人の友情を中心にしたの。

私も過去、こんなふうに女友達ができたとき、本当に恋をしているような感覚に陥り、ピークを迎えると急激に崩れ去ったのよね」

ダンサーの女子2人の旅は、どんどんと悪い方向へ向かっていく。おまけに得体のしれないヤバめの男の登場によって、状況は最悪に。

たしかに本当の危険に対峙したゾラが、どうしてここまでユーモラスに語ることができたのかは気になるところ。その元ツイートは、ミッシー・エリオットやソランジュなどのセレブがリツイートし、炎上にも近い大ブレイクを果たしたのだ。

「インターネットを介することで、人がどれだけつながれるか、ってことを証明した物語でもある」と監督。

「危ない話だけど、身近でもある。この等身大の物語を、どれだけリアルに描くかが重要だった。そこで、ゾラを演じたテイラーとライリーと3人で、ストリップクラブにリサーチに行ったの。テイラーは黒人でライリーは白人でしょ。

そこにいた白人男性はテイラーと話すときは“ヘイ、ビッチ”、ライリーと話すときは“ヘイ、スウィーティー”って声をかけてた。そこでこの作品では、その逆の呼びかけをすることから始めたんです」

きっつい……このリサーチ。でも、これこそリアル。誰でも生きる道を自分で選択することは当たり前。だけど、女性には男性から受ける差別的な抑圧が、21世紀の今でも存在する。その問題に光を当てた傑作だ。



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『Zola ゾラ』

story:ウエイトレスとストリップダンサーを掛け持ちするゾラ(T・ペイジ)は、レストランで知り合ったステファニ(R・キーオ)と意気投合。ステファニからダンスで大金を稼ぐ旅に出ようと誘われるのだが……。

監督:ジャニクサ・ブラヴォー/出演:テイラー・ペイジ、ライリー・キーオ、ニコラス・ブラウン ほか/配給:トランスフォーマー/公開:8月26日より、新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー


■ライター プロフィール
よしひろまさみち
よしひろまさみちさん/Profile

『スウィート』のカルチャーページでもおなじみの映画ライター・編集者。日本テレビ系『スッキリ』ではレギュラーで映画紹介を務める。

text_MASAMICHI YOSHIHIRO
web edit_KAREN MIYAZAKI[SWEET WEB]
※記事の内容はsweet2022年9月号のものになります
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