【サブスク】台湾マフィア系のブラックコメディや近未来系ミステリーなど、話題作をピックアップ

The Brothers Sun
Netflix 『ブラザーズ・サン』

ケーキを焼くエプロン姿の屈強なヒゲのイケメンが、家に侵入してきた3人組に突然襲われ応戦、撃滅するが、その間にケーキが焦げて悔しがる。冒頭からこのスイーツ好きな豪傑に心を鷲づかみにされるのがドラマ『ブラザーズ・サン」だ。

“サン”は、中国姓“孫”のことで、タイトル“孫家兄弟”の通り、ここではロサンゼルスを舞台に台湾マフィア孫一家の抗争ドタバタ劇が繰り広げられる。冒頭活躍する台湾俳優ジャスティン・チエン演じる孫家長男は、天下無敵の手練れギャング。彼のバッキバキの格闘アクションシーンは独創的で見応えたっぷり。

偉大なやり手ママを演じるオスカー女優、ミシェル・ヨーは、目ヂカラだけでない“顔ヂカラ”を放ち、暴れないけれど存在感が絶大。世間知らずのぼんくらオタク次男ほか、原宿系Kawailファッションの麻薬売買元締めギャル、香港スター、イーキン・チェンの髪型を忠実に真似するギャング男子など、各キャラは個性派揃い。

カラフルなファッションや美術はおしゃれで、音楽もかっこよく、演出のセンスは抜群。漫画のようでありながらクオリティはかなり高い、アクション満載のブラックコメディ＆ファミリードラマなのだ。

『ブラザーズ・サン』
story：台湾最大の秘密組織のボスが暗殺者に狙撃される。冷酷な犯罪者に鍛えられたボスの長男チャールズ（J・チェン）は、母（M・ヨー）と、家族の裏稼業を全く知らず健全に育った弟ブルース（S・S・リー）を守るため、2人の住むロサンゼルスへ赴く。

監督：ケヴィン・タンチャローエン、ヴィエ・グエン／出演：ミシェル・ヨー、ジャスティイン・チエン、サム・ソン・リー、ジュン・リー ほか／現在、Netflixにて独占配信中

© Netflix

アジア系あるある要素が満載

アメリカのシリーズでありながらキャストと脚本家は全員アジア人で構成される本作には、アジア系あるあるの小ネタがいっぱい。中華レストラン奥の非合法雀荘に日夜集うおばちゃんネットワークが最強だったり、アジア系スター、ジョン・チョーの別荘でクッションカバーからバスローブ、サンダルまでそこら中にジョンの顔ロゴが入っていたり。殺されたギャング名として出てくるサモ・ハン（香港往年のスター）の名前や、次男があえて着るパンダやラーメンなどのアジアンロゴの入った服など、笑える隠れ演出を探しながら観るのが楽しい！

『もっと遠くへ行こう。』
Amazon Prime Video

宇宙移住計画中の2065年、退廃的な世界で農場を営む夫婦にAIクローンが支給される。結婚とアイデンティティの混乱と近未来SFを掛け合わせた異色ミステリー。主演ふたりの緊迫感ある演技と荒涼とした美しい風景が力強い良作。

監督：ガース・デイヴィス／出演：シアーシャ・ローナン　ほか／現在、Amazon Prime Videoにて独占配信中

© Amazon Studios

『Saltburn』
Amazon Prime Video

名門オックスフォード大学のイケてない新入生が、貴族出身のカリスマ同級生と大邸宅ソルトバーンで育む危険な友情。階級格差に狂気を煽られる主人公役B・コーガンのキモさに拍手。覚悟して観るべき、不埒で不穏なブラックコメディ。

監督：エメラルド・フェネル／出演：バリー・コーガン、ロザムンド・バイク ほか／現在、Amazon Prime Videoにて独占配信中

© Amazon Content Services LLC