怖さや不安を抱えながらも、芸能人として表舞台に立ち続ける理由はもうひとつある。

紗栄子インタビュー
トップス ¥128,000(Simone Rocha/リステア)、ピアス ¥24,200(Soierie)

「名前と顔を知っていただくこと、何かを伝えたいときにちゃんとみんなに注目してもえて、耳を傾けてもらえるような存在で居続けるため。

被災地では、何者か分からなと不安がられてしまうんです。泥棒も増えるし、性被害もあったりするので、”よそ者”に対してどうしても警戒心が強くなります。そういうときに私たちのような、顔が名刺みたいな人間がいるだけで、警戒心がほどけて、スード感を持って支援活動ができるようになんです。それが芸能人であり続ける理由。

若い頃は、自分が満たされていたらそれでよかった。けれどこの歳になったら、自分の手から溢れたものに関しては社会に還元したいと思うようになりました。本当に芸能人にしてくれてありがとうですし、だからこそ正しくこの求心力と発信力は使わせてもらわなきゃ、と気が引き締まります。

自分のために頑張るのは限度があるけれど、誰かのために頑張ると喜びの数が人数に比例してどんどん大きくなる。それが私にとって働く理由だし、人が喜んでいることが自分の喜びになっていった。

昔は、余裕がなかったから自分と子どもたちの笑顔や生活を守ることで必死だったけど、それが両親やファン、スタッフと、ちょっとずつ輪が大きくなっていって、今は社会にまで広がっている。やっぱり愛が原動力なんですよね。

子どもたちには私の背中を見ていてほしい。私を通して、社会のあり方やつながりを学んでいくだろうし、私は彼らのお父さんもお母さんもやらなきゃいけないから、大変なこともあるだろうけど色んなことを感じてほしいなって思っています」