『ツイスターズ』で主演のグレン・パウエルが、『ヒットマン』でも主演。さすが『トップガン マーヴェリック』での活躍以来、引っ張りだこの躍進ぶり。そんな『ヒットマン』は、文字通りの殺し屋のお話。「潜入捜査官でにせの殺し屋に扮する大学の先生ゲイリーの人生を描いた物語だ」というのは、もはや巨匠の風格すらある監督リチャード・リンクレイター。
「この話のベースは実話で、本当に存在するんだ。人を殺そうとしたり、そのために人を雇おうとする人は現実に存在するし、検挙しなければならない存在。だから、ゲイリーのような人が必要なんだ。アイデアのもとは二十数年前に読んだ『テキサス・マンスリー』誌の記事。にせのヒットマンを演じた男が、殺し屋らしくふるまいつつ、ある若い女性を逃して、おまけに特別な関係を持った、という話だった。このキャラクターには興味津々だったが、映画にするには長い時間がかかったよ」
企画の始まりは、なんと主演のG・パウエルだった。
「彼は友人で、パンデミックのさなかに電話をしていたとき、グレンが“ヒットマンという記事を読んだことがあるか?”って言ってきたんだ。読んでいたし、ずっと映画化を考えていたけど、うまく構成できないと伝えると、“僕はこういう考えで……”と彼なりの大胆なアイデアを出してきた。それから本気で映画化に向けての話し合いをし、彼とコラボレーションすることになった。お互いにアイデアを送り合って議論し、フィクションとしての『ヒットマン』の可能性を模索したんだ。パンデミック中だったけど、本当に楽しい仕事だった」
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PROFILE
よしひろまさみち
『スウィート』のカルチャーページでもおなじみの映画ライター・編集者