とにかく行動あるのみ。立ち止まらずにまず一歩

紗栄子とお馬さん
グリーンワンピース ¥861,300(トリー バーチ/トリー バーチ ジャパン)、シューズはスタイリスト私物

ー「NASU FARM VILLAGE」の経営に参画するまでの過程が知りたいです!

「乗馬やトレッキングをしようと、お客さんとして訪れたのが最初です。『こんな素晴らしい場所があったなんて』と感動すると同時に、経営難に陥っているとのお話も聞いて。お馬さんやワンちゃんの行く末がどうなるか分からない、そのお世話をしているスタッフの雇用も危ぶまれている、と知ったら、もう居ても立ってもいられず。牧場経営なんて未知すぎて悩みましたけど、現場スタッフの後押しもあって、運営に携わることを決意しました」


ー「よし、やろう」と立ち上がって行動に移すことがすごすぎます。何が紗栄子さんを突き動かすんでしょうか?
紗栄子とお馬さん

「できる! という確信より、とにかくやらなきゃ! という気持ちで。あとね、誰に相談しても『無理無理できない』って即答されましたが、そのできないっていう人もやったことはないわけです。だったら私はまずやってみよう! と思って。全てを引き払って、栃木県大田原市に引っ越しました。

原動力になったのは、そうだな、人の都合で左右される命を守りたい、この思いに尽きるかな。黙っていればいいのにって言われるかもしれないけれど、例えば、競馬のサラブレッドは、ゆくゆくは殺処分になることがほとんど。中央競馬で走って、地方に降ろされて、乗馬クラブなどに行って、ボロボロになって最後は……。この状況を、今すぐ全頭はできないにしても、1頭ずつからでいいので保護したいです。

こういう思いを抱えている人って、実は意外といるんですよ。お馬さんを育てていくとなると、月のコストが莫大で、引き取ったはいいけれど厳しくなって、うちにヘルプ要請がくることもあります。競馬界の皆さんは、『うちにできることはありますか?』と声をかけてくださるし、ジョッキーの方は実際に牧場に見学にいらっしゃって、お馬さんの運動をしてくれたり、グッズを買って応援してくださったりもします」


ー「NASU FARM VILLAGE」は、そうして保護したお馬さん達がセカンドライフを築く牧場。

「そうです。うちにいるのは、健康ではなかったおじいちゃん、おばあちゃんばかり。そういうコを率先して保護しています。でもね、来たときは怪我やコンディション不良でボロッボロでも、ケアをするうちに、もう全然普通に屋外で放牧もできるようになるし、自信を取り戻して表情がイキイキと輝き出すんですよ。そんなお馬さんを、牧場に来たお客様が可愛がってくださって、で、また、お馬さんも喜んでる。こういうハッピーの広がりや循環を肌で感じることができるんだから、私は幸せ者。ひとつの命をちゃんと守れたんだなって、自分のチカラにもなっています」