
斎藤工のマメな気遣い、水上恒司の読書姿……共演で見つけた“sweetな素顔”
――共演して見つけたお互いのsweetな部分を教えていただきたいです。
水上「僕がそんなにマメじゃないということもあるんですけど、斎藤さんのような立ち位置の方がとてもマメなのが僕にはとても可愛く感じたんです。(お仕事やプライベートで)いろいろな場所に行った時のお土産を買ってきてくださったり。クリスマスには腹巻きや水筒、食べ物などをくださったり。僕は一回もやったことがないので、本当にすごいなと思いました」
斎藤「今までの現場でそういう先輩がいらっしゃったので、こういうことは大人の定めというか自分の役割だなと。水上さんのスウィートというかセクシーだなと感じる部分は読書をしている姿。今だとスマホと向き合っているのが当たり前の時代ですが、物語の世界に没入している姿がとても素敵でした。あとは、僕のイメージなんですが、水上さんは文学的な匂いがする俳優さん。僕が大好きなつか(こうへい・劇作家や演出家、小説家として活躍)さんが活躍していた日本映画黄金期の俳優さんのを彷彿させる存在感があるんです。あの時代ならではのモノクロ映像の質感やその時代ならではのスケール感に僕は惹かれるのですが、水上さんの現場での佇まいにもそれと共通する物語を感じます」
――高橋さんのsweetな部分とは?
斎藤「一生さんは博士なみにさまざまな分野に対して博学なんです。一生さんと水上さんがバイクや車のお話をされていたことがあって。そのときの好きなものへの純度の高い表情が少年みたいだったのも印象的。共通な趣味の話で盛り上がっている2人は同級生のようでした。水上さんが質問して一生さんが答えてというやりとりで生まれる空気感は作品の内容の深刻さとは別の華やかさを感じましたね」
水上「一生さんもお茶目ですよね。いろいろ仕掛けてくるんです。現場でも“僕が責任を負いますムーブ”が起こって。何か問題が起きると倍増しで謝罪するムーブで一生さんは『ここは僕が(責任を負います)』ってずっと言ってましたね」
斎藤「さも水上さんが不満を抱えているかのように『すみません、僕らの落ち度ですみません』ってね(笑)」
水上「ロケバスが決まった車種だったのですが、いろいろな場所に移動するので毎回同じ車両じゃないことがあって。それで、『あれ、一生さんこれって、さっきの車じゃないですよね?』って言ったら『すみません。これは僕の方でなんとかします』って(笑)」
斎藤「それを普段のトーンで言われるので、なんかぎゅんとくるというか、面白いんですよね」
――作品の配信は夏に始まりますが、この夏にしたいことを教えてください。
斎藤「やりたいことではないんですけれど、今年はロケをしない方向で考えています。というか、夏のロケをどうにかしたい。去年、ほぼオールロケの作品が7月と8月にあって。その後のダメージがひどかったんです。現場ではカメラ機材なんかのバッテリーを冷ます時間なんかもあったのですが、つまりは人体にもかなりの負荷がかかっているということだと思うんですよね。しかも毎年、暑さが更新されるじゃないですか。夏の現場を仕切る関係各所には本当に物申したい思いです(笑)。僕はこれはかなり問題だと思っています。ちょっと真面目な意見ですけれど、SOSを出せないポジションの方もいらっしゃると思うので、まずは僕が声をあげたいです」
水上「確かに暑すぎますからね……。僕もこの仕事を始めてからは夏休みはないですね。ずっと仕事をしています」
斎藤「でも、夏のイメージありますよね」
水上「本当ですか?」
斎藤「雪も似合いますけどね」
――もし休みが取れたら……という妄想でもいいです。
水上「キャニオニングっていう渓谷を歩いたり泳いだりしながら川を下るアクティビティがあるんですけど、真夏でもめちゃくちゃ水が冷たいらしくて。今回の浜松の噴水に落ちたシーンの水の冷たさを、キャニオニングで感じてみたいですね」
――斎藤さんは、俳優だけでなく監督や写真家としても活躍されていますが、水上さんを題材にして作品を作るとしたらどんな作品にしたいですか?
斎藤「実はかなり前から、自分でも水上さんを題材にするなら……と勝手に想像を膨らませていたんです。日本映画全盛期の佇まいのある水上さんなので、やはりクラシカルな世界がいいですね。物語がある被写体なので、和装とかもいい。大正時代とかの時代背景の映像がお似合いなんじゃないかと」
――水上さんは斎藤さんにどんな作品を作って欲しいですか?
水上「一生さんと斎藤さんって、全く個性が違う。斎藤さんは選ぶ言葉のセンスがめちゃくちゃいいんです。以前、CM制作から、フォトグラファーや映画監督へと、活躍の幅を広げていらっしゃった方の映像作品に出演させていただいたことがあるのですが、映像作品だけ制作している方とは違う個性や絵力があるなと印象に残っていて。なので、同じように多方面で活躍されている斎藤さんの幅広い知識と感性を活かして映像にも特化しつつ役者が喋る言葉もめちゃくちゃ文学的な映画作品を作れたら面白いなと思います」
――『犯罪者』の作品の見どころを教えてください。
斎藤「太田先生の言葉を借りると、映像化できないものを作ったはずが、映像化されるということがまずすごいことかな。カウンター(対抗)的に作ったものが映像可能になったのは、ストリーミング時代を象徴するPrime Videoオリジナルだからできること。これは今でしか実現できなかったことで、何かを更新する瞬間なんじゃないかと思うので、ぜひ、作品の世界を楽しんでいただきたいです」
水上「まだ、作品が完成していないので僕自身も見れていないのですが。僕自身が面白そうと思って参加した作品です。3軸が絡み合っていく複雑な構造のストーリーで映像化が難しいといわれてきた中で、ここから松永さんがどのように作品を仕上げていくかは、僕自身も楽しみ。一視聴者として、僕も作品を楽しもうと思っています」

『犯罪者』
7月17日(金曜日)よりPrime Videoで世界独占配信
キャスト:高橋一生、斎藤工、水上恒司他
原作:太田愛(角川文庫/KADOKAWA)
監督:松永太司
脚本:櫻井武晴
音楽:川井憲次
制作:PROTX
制作著作:PROTX
©PROTX
STORY
白昼の駅前広場で起きた通り魔事件の被害者・繁藤修司(水上恒司)は、搬送先の病院に現れた見ず知らずの男から戦慄の宣告を受ける。この事件を追う刑事・相馬亮介(高橋一生)は、事情聴取での修司の発言に対して拭いきれない違和感を抱き始める。修司は警察に対してなぜか強い反発を見せるのも気になる。その頃、病院の男の訴え通り、修司に黒い影が迫っていた。間一髪のところで修司を救った相馬は、元テレビマンでフリーライターの鑓水七雄(斎藤工)を頼り、3人は見えない敵へと挑んでいく。
斎藤工/Profile
1981年8月22日生まれ、東京都出身。俳優/フィルムメイカー
主な出演作に映画『シン・ウルトラマン』、『新幹線大爆破』、『THIS IS I』、『マジカル・シークレット・ツアー』ドラマ「極悪女王」、「誘拐の日」など。
公開待機作に、『キングダム 魂の決戦』(7月17日)『存在のすべてを』(2026年2月)
初長編監督作『blank13』は国内外の映画祭で8冠を獲得。企画・プロデューサーを務めるドキュメンタリー映画『大きな家』は第34回、日本映画批評家大賞ドキュメンタリー賞を受賞。永尾柚乃初監督作品『LITA』でもプロデュースを務める。また、全国の被災地等での移動映画館「Cinéma Bird」主宰、「Mini Theater Park」、白黒写真家など、活動は多岐にわたる。
水上恒司/Profile
1999年5月12日生まれ、福岡県出身。 TVドラマ「中学聖日記」(18/TBS)にて初主演、俳優デビュー。同作品で大きな話題を獲得し、翌年には写真集「鼓動」が発売されるなどデビューまもなくから注目を集めている。映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(23/成田洋一監督)にて、第47回日本アカデミー賞・優秀主演男優賞を受賞。主な出演作品には、映画『弥生、三月 君を愛した30年』(20/遊川和彦監督)、『本心』 (24/石井裕也監督)、『九龍ジェネリックロマンス』(25/池田千尋監督)、『火喰鳥を、喰う』(25/本木克英監督)など。最新作は映画『TOKYO BURST-犯罪都市-』。
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