Thomasin McKenzie
トーマシン・マッケンジー
■プロフィール
2000年7月26日、ニュージーランド生まれ。『足跡はかき消して』(18)、『ジョジョ・ラビット』(19)などで注目を浴び、2021年は本作を含め4作品に出演。
ここ数年、とんがったハリウッド映画でちょいちょい観るお顔。『ジョジョ・ラビット』(19)ではヒトラーに心酔した少年を相手に気丈に振る舞うユダヤ人女子、『オールド』(21)では生き物の成長を爆速で促進するビーチに囚われた少女の10代パート。はたまた、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を獲得したNetflix映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(21)など、映画ファンから愛される作品に出ずっぱりなのがトーマシン・マッケンジー。
「パンデミックの影響を受けた作品が多くて、2021年は出演作を4作品もお披露目することができたのよ。予定どおりとはいかなかったけど、『ラストナイト・イン・ソーホー』も完成して嬉しいわ」
主演最新作『ラストナイト・イン・ソーホー』で、彼女が演じたのはファッション・デザイナーを夢見てロンドンに上京したエロイーズ。想像とは違った学校生活に辟易していた彼女は、夢の中に現れた歌手志望のサンディ(A・T=ジョイ)の生き方やファッションに影響されていく。
「サンディは60年代ロンドンの女性だけど、男達に搾取されていることに対して強く嫌悪感を持ちつつ、自分らしく生きようと努力しているの。それって今の女性には確実に共鳴すること。エロイーズがサンディにのめり込んでいくのは納得できるのよね。もちろん、ファッションにも惹きつけられるのも分かるわ。サンディを演じたアニャと一緒のシーンが多いんだけど、彼女が着ていたヴィンテージの衣装は私が見ても“いいな〜!”って思ったもの(笑)」
エロイーズを演じるうえで必要だったのは、デザインを学ぶ学生らしくスケッチやデザイン画が描け、音楽などのカルチャーにも鋭い感性を持つこと。これは「監督から資料のリストをどっさり渡されたわ」と語る。
「監督からは60年代のブリットロック、イギリス映画のリストをどさっと渡されて、会うたびに “あれは観た?”と確認されてたのよ(笑)。見聞きすればするほど、あの時代のロンドンのテイストが好きになったわ。それと同時に、デザイン画を描けるように、劇中でも出てくる紫のノートを持ち歩いて、何かインスピレーションをかきたてられるものを観たら書き留めるようにしてたの。もちろん本編で手元がアップになるカットは、プロに描いてもらったものだけどね。それは実は今でも続けていて、自分の気持ちを整理するためにとても役立ってる」
ニュージーランドで映画監督の父と俳優の母の両親を持つ期待の若手。今後の活躍にも大期待!
『ラストナイト・イン・ソーホー』
story:デザイナーを目指してロンドンに上京したエロイーズ(T・マッケンジー)。彼女は夢の中で出会ったサンディ(A・T=ジョイ)の60年代ファッションと強い生き方に魅了され、次第に実生活にも影響が……。
監督:エドガー・ライト/出演:トーマシン・マッケンジー、アニャ・テイラー=ジョイ ほか/配給:パルコ/公開:現在、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中
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■ライタープロフィール
よしひろまさみち
『スウィート』のカルチャーページでもおなじみの映画ライター・編集者。日本テレビ系『スッキリ』ではレギュラーで映画紹介を務める。