Austin
Butler
オースティン・バトラー
■プロフィール
1991年8月17日、カリフォルニア州生まれ。テレビのエキストラからキャリアをスタートし、2009年にスクリーンデビュー。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)で注目を浴びる。
ロックスターの“元祖”といえるのは誰か。
ザ・ビートルズでなければボブ・ディランでもなく、じつはエルヴィス・プレスリー。彼は、当時急速に普及したテレビを通じて、アメリカ全土はもちろん世界で大人気を博した最初のロックスターとして知られている。そんな彼の伝記映画『エルヴィス』は、彼がブレイクした背景や、熱狂の時代の詳細が描かれている。
「僕が生まれる前の大スターだから、とにかくあらゆる資料をリサーチしたよ」というのは、エルヴィスを演じたオースティン・バトラー。
「幸いドキュメンタリーやコンサート、インタビューなどの映像アーカイブが大量にあったから、そこから着手した。もちろん本もたくさん読んだし、エルヴィスの熱狂的なファンによるYouTube動画も素晴らしい資料になったよ。
それで分かったことは、神格化された彼のイメージとは違った、生々しい人柄。すごくユニークな人物で、とても寛大なキャラクターなんだよ。傲慢なスーパースターのようなイメージは一切なくて、知れば知るほど役への愛着がわいたんだ。
ただ調べていて驚いたのは、エルヴィスのことを全く知らない、という若い世代があまりに多いこと。彼がその後の文化や音楽界に与えた影響の大きさを、この映画から知ってもらいたいね」
エルヴィスを知らない人でも、彼の最初のヒット曲「ハートブレイク・ホテル」や代表曲「好きにならずにいられない」などは、日本のアーティストもカバーしているほどなので、耳にしたことはあるはず。
「劇中歌はエルヴィスが270曲以上レコーディングしたスタジオで収録したんだよ」とオースティン。「いやー、緊張したね。エルヴィスが『ハートブレイク・ホテル』を録音した実際のマシンも残っている場所でそんなことができるなんて思ってもみなかった。とにかく彼の音楽を改めて素晴らしいものだと再確認できたよ」
波乱万丈な人生を送ったエルヴィスだけに、本作でもそのアップダウンの激しいスターの生活がドラマチックに描かれている。
「彼の母親が亡くなった前後のエピソードや、彼が徴兵されて軍隊に行く前に起きたことなど、パーソナルで特別な時期をピックアップしているんだ。僕自身、調べてみて初めて知ったことばかりだけど、すごくパワフルで感動的なんだ。
そして皆さんに一番観てもらいたいのは、1970年のライブシーン。一度はライブから離れたエルヴィスが、ステージ復帰したシーンなんだけど、こんなにも壮大なステージが当時あっただなんて、僕自身、正直信じられないレベルだったよ」
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『エルヴィス』
story:無名の歌手だった若き日のエルヴィス・プレスリー(A・バトラー)は、ルイジアナで行われた小さなライブに出演。そこで披露した彼の音楽はまたたく間に若者の人気を得て、彼はスターになるのだが……。
監督:バズ・ラーマン/出演:オースティン・バトラー、トム・ハンクス、オリヴィア・デヨング ほか/配給:ワーナー・ブラザース映画/公開:7月1日より、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
■ライター プロフィール
よしひろまさみち
『スウィート』のカルチャーページでもおなじみの映画ライター・編集者。日本テレビ系『スッキリ』ではレギュラーで映画紹介を務める。