藤井流星(WEST.)
──今回の脚本を読んだ感想はいかがですか?
改めて、西田さんの脚本=全部オリジナルというところにすごさを感じています。原作がないということで、観る側も演じる側も「どうなっていくんだろう?」っていうワクワク感がありますよね。特に初見で読むときは、新鮮で楽しいです。あと、西田さんの脚本で共通しているのが、伏線の巧妙さ。後半にかけて色々と繋がっていく感覚が、西田さんが手掛ける作品の一つの醍醐味だなと思います。そういう西田さんらしい軸がある中で、今作はほっこりできるのもポイントかなと。ハートフルサスペンスコメディと謳っていますが、最後はコメディらしく笑って終われる舞台になるんじゃないかなと思います。
──15年前に両親を交通事故で亡くした悲しみを抱えたまま、親から受け継いだロールケーキ専門店【くるん】を守り、弟と二人で懸命に生きてきた主人公・青柳敬治郎。今回演じる彼への第一印象についても、改めて伺いたいです。
標準語で演じますけど、ノリは意外と関西っぽいという印象です。バカもできるタイプですし、陽キャ寄りかなって。あとは弟に対する兄貴としての責任感や、頼りがいもしっかりあるタイプ。突っ走っちゃうこともあるけど、とにかく真っすぐで“すごくいいヤツ”、“すごくかっこいい兄ちゃん”って感じですね。すべて誰かのために動いていて、それ故に自己犠牲もできるタイプだと思います。
──藤井さんご自身との共通点はありますか?
性別は違いますが、僕にも妹がいるところ。一番上の兄という立場が同じなので、色々置き換えやすいなあって思います。ハートフルサスペンスコメディということで、シーンによって振り幅が大きいんですけど、役から外れすぎずに取り組めるように頑張りたいです。
──その振り幅をどのように表現したいか、具体的に考えていることなどはありますか?
舞台って観客側にリアルに伝わりやすいので、シーンとシーンの間でテンション感が変わりすぎないようにしたいとは思っています。実際、人が変わったんじゃないかってくらい緩急のあるシーンもあるんですけど、あくまで敬治郎の心境の変化に沿って、それを伝えられるように、違和感なくできたらなって。
いま、ドラマと舞台の魅せ方の違いを改めて感じているんですけど、舞台ならではの感触は久々です。動き方も含め、舞台らしさを追求していきたいなと思います。
──お話を伺っていて、模索中な部分もあるかと思うのですが、藤井さんが感じる舞台の魅力について、今一度伺いたいです。
リアクションを体感できるところが、舞台のいいところですね。生ものなので、ある意味ライブにも通ずるものがあるというか。その場のアクシデントも含め、“一瞬一瞬を楽しみたい!”と思っています。これは『NOISES OFF』のときの話になりますが、演出の森さんが本番映像を毎日チェックしてくれていたみたいなんです。そのときに「お前は俺がいない方がのびのびしていて楽しそうだな」と言われました(笑)。のびのびできる=楽しめているってことかなと思うので、今回もそういう空気感がお客さんに伝わるといいなと思います。